活動報告

粒子加工技術分科会 報告

2026年3月3日

  • 講演風景1
    講演風景1
  • 講演風景2
    講演風景2
  • 集合写真
    集合写真
2026年2月6日、太陽ファルマテック株式会社高槻工場にて、第3回分科会を開催いたしました。以下に報告いたします。
太陽ファルマテック株式会社高槻工場は固形剤と注射剤の製造を主要製品として製造受託を行っており、高度なGMP管理のもとに高品質の医療用医薬品を安定的に供給されている。固形剤は、錠剤の製造から包装までを一貫製造しており、自動化設備とコンピューターシステムのもと夜間無人運転を含め24時間稼働を実施し、優れた品質の錠剤を製造している。注射剤については、アイソレータやラブスといった設備を保有し、アンプル、バイアルの他、ユーザーの使用利便性を考慮したシリンジ製剤を製造し、また、高度な製造管理と品質保証システムの求められる、凍結乾燥バイアル、抗体医薬品、バイオ医薬品を製造している。本見学会では、これらの製造ラインを見学させていただいた。
 
講演1:「長期収載品サイトチェンジの留意点および当社の人材育成の取り組み」太陽ファルマテック株式会社 大野孝高 氏
長期収載品のサイトチェンジ事例を元に潜んでいたリスクを具体的に説明いただいた。導入前には認識されていなかった調液条件や打錠末顆粒比容積の溶出に与える影響を探り出し、多くのリソースを費やしてようやくサイトチェンジを達成した。このことから該当する製剤の研究開発報告書、品質慣例情報等の文書の共有、現製造所の綿密な見学、中間製品(顆粒や錠剤)の提供などを委託元に求め、またこられの情報はできるだけ早期に入手し、事前検討を実施するとともにリスク緩和に必要な検討期間を加味したスケジュール策定が重要であるとのことであった。
 
講演2:「噴霧乾燥法による機能性粒子設計:マルチモーダル薬物送達への対応」 大阪医科薬科大学 製剤設計学研究室 教授 戸塚裕一 氏
噴霧乾燥技術を基軸にさまざまに取り組まれた溶解性改善について解説いただいた。トランスグリコシル化された食品添加剤(機能性食品添加剤)を用いて作製したナノ複合体(<5nm)により溶解性を向上させ、ニフェジピン/ケトコナゾールを噴霧乾燥粒子(コアモルファス)とすることで長時間にわたり高い溶解性を維持させることができた。吸入製剤では比較的粒子径が大きい乳糖をキャリアとする代わりに多糖類フィトグリコーゲンを添加剤として噴霧乾燥法によりマトリックス粒子を作製し、薬物均一性を改善された。
 
講演3:「湿式及び乾式コーティングによる機能性粒子の設計」 大原薬品工業株式会社 寺田浩人 氏
苦み成分を持つ高含量製剤において核粒子へのAPIレイヤリングによる高濃度薬物含有微粒子を調製した後に苦みマスキングすることでコーティング量を低減させ、錠剤の大型化を抑制させた。湿式コーティングは技術が確立された感があるが、まだまだ工夫する余地がある。一方、ミニタブレットのスプレー式汎用装置によるコーティングでは割損、脱落等の懸念があり、混合機による乾式コーティングを試みた。運用に適する錠剤硬度とするための入念な処方設計検討の後に、混合時のタブレット破損要因を排除し、実用性のあるミニタブレットコーティング錠を作製することができた。
 
講演4:「2025大阪関西万博への出展報告とファインバブル技術への期待」 株式会社サイエンス 平江真輝 氏
大阪・関西万博で人気を博した「人間洗濯機」について説明いただいた。デザインするにあたり1970年大阪万博で出展した「人間洗濯機」のデザイナーもチームに加わり作り上げた。この新人間洗濯機は「カラダもココロも洗う」をコンセプトに自社自慢のミラブル(ファインバブル)で全身を洗うとともに座席背中に設置したセンサーにより心拍データを測定し、AIによる解析にて入浴者の精神状態に合わせた映像や音楽が浴室内に広がる。製品化が待たれるが、介護者の労力低減に向けた介護向けの開発を進めている。
 

以上

本分科会の開催案内は、こちらよりご確認いただけます

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