会長挨拶

一般社団法人日本粉体工業技術協会の第41回定時総会および、同日開催の2022年度第2回理事会での審議により本年度から会長を拝命する事になりました。微力ながら、粉体技術の進歩、普及のため全力を尽くしていく所存です。ご指導、ご鞭撻を頂けますよう、お願い致します。
粉体は、食品、薬品、材料、エネルギーなど身近なものから大規模産業まで幅広く利用されている重要な技術です。小麦粉、粉状の薬品、コーヒーミル、あるいは環境問題で注目されているPM2.5対策など、粉体が関わっている現象は、際限ないほど例示できます。ところが実際に粉体を使用している方でも、粉体技術、粉体工学という言葉を意識したことがない方が、かなりいらっしゃいます。粉体を扱う際、様々な粉体技術を知って頂く事で改善できる点も多々あります。当協会は2021年に創立50周年を迎え、この半世紀間、粉体技術の最新情報を提供するとともに、関連技術者、研究者の積極的な意見交換の場を設定し、粉体技術の進歩に貢献して来ました。具体的には、東京や大阪で開催される国際粉体工業展を始め、多くの講習会、セミナー、さらには各種の粉体技術に応じた分科会による最新技術の調査など、極めて多様な活動を行っています。是非、当協会が提供する様々な情報を活用し、粉体を一層便利に賢く利用して行って頂きたいと思っています。
さて2020年以降、当協会の活動に限らず、多くの社会活動が新型コロナウィルスの影響により制約を受けています。このような制約下、当協会は過去2年間の経験を経て、少しでも貴重な活動が出来るように工夫して来ました。2021年の国際粉体工業展・大阪での展示会場とオンラインを併用したハイブリッド開催の実施、各種講習会、セミナーでのオンライン開催の拡充など、コロナ禍でも多くの皆様にご満足頂けるように改善を加えてきました。また、各分科会においても、オンライン講演だけでなく、十分な感染防止への配慮を加えた上で設備見学を実施するなど、徐々に新型コロナウィルス感染前に近い内容での企画を可能にしてきました。
本年も新型コロナウィルスの感染状況を適切に見極めながら、国際粉体工業展東京のハイブリッド開催、講習会・セミナーのオンライン講習などにより、多くの皆様に喜んで頂けるサービスを提供して行きたいと思っています。
粉体技術は、現代の最重要課題である持続可能な社会構築に向けた活動にも大きく貢献できる素晴らしい技術です。皆様、是非ともご一緒に、粉体技術を活用して行きましょう。