活動報告
粒子加工技術分科会 報告
2025年10月28日
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エーザイ株式会社 石本 様のご講演
見学先企業:シオノギファーマ株式会社
講演会会場:リモート(ホスト:岐阜薬科大学、製剤と粒子設計事務局)
1.見学会
開会挨拶 コーディネーター 竹内洋文 氏
シオノギファーマ株式会社(以下、SPH)の高薬理活性対応の固形製剤棟を、リアルタイム映像配信により見学させていただいた。2022年度の見学講演会では3Dビューアを活用した当該施設のバーチャル見学であったが、今回はスマートフォンで撮影されたリアルタイム映像による見学とした。時折、現場撮影者にリモートで繋がっている座長から撮影場所や装置のアップ画像を依頼するなどし、通常の見学ルートでは見ることができない細部に渡っての見学ができた。本施設は2021年10月より稼働し、中期・後期の治験薬製造から商用製造まで対応可能であり、また、日米欧三極GMP、PIC/Sに準拠し、封じ込め区分はカテゴリー「5」(OEL:0.1~1μg/m3)までの仕様に対応されている。
2.講演会
講演1:「粒子封じ込め性能評価のご紹介」 東芝ナノアナリシス株式会社 熊澤 俊介 氏
座長:(森部久二一 氏)
高薬理活性医薬品を製造・取り扱うに際しては、産業衛生(暴露)リスクと交叉汚染(クロスコンタミネーション)リスクを考慮する必要がある。ISPE(交際製薬技術協会)から発刊されているガイドラインであるSMEPACを中心に紐解きながら粒子封じ込め性能の評価についてご解説いただいた。次にドラフトチャンバー、アイソレータでの測定(サンプリング)ポイントが例示され、秤量ブースを例にラクトースを代替試料とした評価結果を交えて、適合性試験のポイントをご解説いただいた。SMEPACでは分析実行ごとにシステム適合性を確認することが示されている。
講演2:「エーザイにおける製剤研究」 エーザイ株式会社 石本 隼人 氏
座長:(竹内洋文 氏)
製剤研究の役割は創薬初期の開発可否早期判断や製剤技術による開発可能性の拡大だけでなく、承認後の継続改善による効率化や社会的期待へ応えることも求められるようになった。一例としては、既存の錠剤や顆粒剤から医療現場の要望により300倍の溶解度が必要となる注射剤を開発された。また、連続生産にもいち早く取り組み、結果として開発期間67%減や開発時の使用原薬量40%減を実現させた。昨今の環境負荷低減に対しては、包装資材をPVC+アルミからPETモノマテリアルに変更する活動を継続中である。まだ、医薬品包装は適応外ではあるが、従来費として38%の二酸化炭素排出抑制、78%の水消費削減、53%の土地使用削減が見込まれるとのことである。
閉会挨拶 代表幹事 株式会社ダルトン 浅井直親 氏
以上
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