活動報告

粒子加工技術分科会 報告

2025年3月12日

  • 講演会の様子
    講演会の様子
  • 岩城製薬佐倉工場(株) 宮原様のご講演
    岩城製薬佐倉工場(株) 宮原様のご講演
  • 千葉大学大学院 薬学研究院 東様のご講演
    千葉大学大学院 薬学研究院 東様のご講演
  • 日揮(株) 中村様のご講演
    日揮(株)  中村様のご講演
  • 国際医療福祉大学 成田薬学部 伊豆津様のご講演
    国際医療福祉大学 成田薬学部 伊豆津様のご講演
  • 集合写真
    集合写真

2025年2月14日、岩城製薬佐倉工場株式会社様のご協力を得て、第4回分科会を開催いたしました。岩城製薬佐倉工場株式会社は2023年に開発初期・中期・後期の治験薬から商用までの溶液注射剤の新製造ラインを稼働されています。この新ラインでは、封じ込め設備の導入により、高薬理活性の医薬品製造を可能としました。本施設は日米欧三極GMP、PIC/Sに対応しているほか、FDA 21CFR Part11をはじめとするデータインテグリティにも対応しており、日米欧のグローバル市場への製品供給をサポートすることができる最新鋭の設備です。従来から製造している軟膏、クリームなどの外用剤ライン、一次包装から最終出荷形態までを連続で包装できる新設した錠剤包装ラインも見学させていただきました。
 
講演1:「外用剤の開発と実践)」 岩城製薬佐倉工場株式会社 宮原 淳 氏
座長:(豊田 智淳氏)
半固形剤についてその基礎、製造法、製造機器について詳細にご説明いただいた。乳化工程における乳化剤、乳化機およびQbDについての解説があった。また、品質に影響するラインフィルターについては破損事例を交えて具体的な選定仕様を挙げ、メンテナンスにも言及いただいた。チューブ充填工程では装置部品の金属疲労による破損に対する解説があり、最後にはスケールについても詳しくご説明いただき、半固形剤についての知見を得ることができた。
 
講演2:「医薬品ナノ製剤の構造・分子状態の評価」 千葉大学大学院 薬学研究院 東 顕二郎 氏
座長:(山崎 淳治氏)
医薬品ナノ粒子の構造研究について、基礎や背景からはじまり、薬物ナノ粒子の例としてシクロスポリンAや薬物封入リポソームの例としてドキソルビシンを挙げてご解説いただいた。構造評価は、固形製剤で培われてきたノウハウ(結晶学、熱力学等)が有用であり多角的な測定により、処方設計に有用な知見が得られるとのことであった。
 
講演3:「無菌医薬品工場の施設・設備設計」
日揮株式会社 エンジニアリング本部 システム機械統括部 機械エンジニアリング部 中村健太郎 氏
座長:(小島 宏行氏)
無菌注射剤の特徴と製造方法からはじまり、グレードAからDにわたる清浄度区の定義やその環境管理基準についての解説があった。また、アクセス制限バリアシステム(RABS)やアイソレータを例として無菌充填設備のゾーニングについてご説明いただいた。また、製造プロセスからと作業者からとの異なる観点におけるポイントと注意点を詳細に挙げられた。最後に汚染管理戦略についてもご解説いただいた。
 
講演4:「医薬品の供給問題と開発・製造管理」
国際医療福祉大学 成田薬学部 伊豆津 健一 氏
座長:(森部 久二一 氏)
品質問題の多くはGMP違反を中心とする製造管理の問題とされている中で、開発段階の検討不備による問題とした別アプローチからの考察を詳細にご説明いただいた。最新の開発システムの適切な運用により、製造不良となる理由自体が大幅に減少することが期待でき、開発対象の絞り込みや十分ない人的・資金的リソース確保が望まるとのことであった。
 

以上

 
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