活動報告
粒子加工技術分科会 報告
2024年10月25日
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講演会の様子
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集合写真
見学先企業:シミックCMO株式会社富山工場
講演会会場:ボルフォートとやま
1.見学会
開会挨拶 代表幹事 ㈱ダルトン 浅井直親 氏
シミックCMOの強みは、非臨床、製剤開発(製剤設計、分析法開発)、臨床、各種試験、安全性、承認申請、製造、マーケティング、市販後調査まで、医薬品事業のほぼすべてのサービスをグローバルにカバーするシミックグループが一体となって高付加価値のサービスをご提供できることにある。。シミックCMO富山工場は、2013年10月に危険物製造所として認可された高アルコール製剤対応の新製造棟が稼動、2017年2月には立体自動倉庫稼動、また、新製品の新規受託を行い大幅な生産増加に対応するため、2021年6月に新たにGMP対応(空調、防虫管理等)の危険物倉庫、及び2022年には品質保証棟の新設・立体自動倉庫の増設など、最新の設備を導入し成長を続けておられる。当日は工場全体から軟膏/クリーム剤・ゲル剤・ローション剤・外用液剤など、半固形の製剤を中心に丁寧な説明を交えて見学させていただいた。
2.講演会
開会挨拶 コーディネーター 竹内洋文 氏
講演1:「半固形製剤の工業化(受託の立場から)」 シミックCMO株式会社 富山工場 技術部 生産技術科 奥野香織氏
座長:(小島宏行 氏)
半固形剤についてその基礎、製造法、製造機器について詳細にご説明いただいた。充填工程については更に詳しく、充填機に求められる機能(条件)や動画を用いての解説およびトラブル事例にまで及んでご解説いただいた。我々にとってとても興味のあるスケールアップや半固形剤の評価についても詳しくご説明いただき、半固形剤についての知見を得ることができた。
講演2:「製剤の物性評価における時間領域NMRの有用性」 富山大学 学術研究部 薬学・和漢系 製剤設計学研究室 岡田康太郎氏
座長:(森部 久二一氏)
時間領域NMRの簡単なご説明があり、低磁場NMRを用いた時間領域NMR法の有用性についてご解説いただいた。同法によるT1緩和測定が薬物粉末の結晶性評価に有用であること、2-3成分混合系(物理混合)での薬物の結晶転移を評価できる。固体分散体の均一性評価においては顕微鏡、示差走査熱量、高磁場NMRおよび低磁場NMRとの比較があり時間領域NMR法が有用であるとのことであった。
講演3:「Excipient Excellence in Continuous Manufacturing:_Sustaining Success Through the Pillars of Consistency」
DFE pharma Sara Fathollahi氏
座長:(竹内洋文 氏)
安定した連続生産(Continuous Manufacturing (CM))の実現に賦形剤の役割は大きい。原薬と同様に賦形剤もロット間の物性変化をゼロとすることは不可能であり、賦形剤メーカーは物性の許容範囲を示すとともに、製剤メーカーはその物性変化の影響を把握することが重要であるとのこと。供給工程、連続造粒工程における賦形剤の物性変化による製品への影響を詳しくご解説いただいた。
講演4:「QbDによる製剤開発と品質保証戦略)」 アステラス製薬株式会社 ファーママニュファクチャリング 土肥優史氏
座長:(山崎淳治 氏)
デザインスペース構築には実験計画法を活用したスクリーニング実験による要因効果分析および最適化実験から得られたPPとCQA、CMAとCQAの応答局面より複数要素からなる工程管理幅を確立させることが肝要である。また、スケールアップ検討では研究所と工場の目線合わせが重要であり、研究所、工場、QA等間の部門の一体感を生み出す、組織風土の醸成や人材育成についてご解説いただいた。
閉会挨拶 副代表幹事 根本源太郎 氏
以上
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