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粒子加工技術分科会 報告

2017年10月17日

  • 講演会写真
    講演会写真
  • ㈱廣貫堂にて集合写真
    ㈱廣貫堂にて集合写真
平成29年9月8日、本年度第2回の粒子加工技術分科会として、見学会を㈱廣貫堂、講演会を富山県民会館にて開催しました。
1.見学
141年に亘る製剤技術の経験を基盤とし、「グローバル受託企業No.1」を目指し、2010年に竣工した呉羽工場は、3極レギュレーション対応した固形製剤受託工場で、3次元フロービンシステムを導入した錠剤、顆粒剤の製剤工程(粉砕、篩過、秤量、混合、造粒、打錠、コーティング、充填・包装)の製造設備、施設を詳細にご案内頂きました。

2.講演会
開会挨拶                    部会長 岐阜薬科大学 竹内洋文 氏
・講演1:「高効率な大量生産をめざした顆粒剤生産設備の紹介」
座長:(福森 義信 氏)
㈱廣貫堂 呉羽工場長 荒井幹雄 氏
国内トップクラスとなる年間約1400トンの顆粒生産能力を備えた顆粒剤の製剤工程において、世界最高の充填速度(330SP×6列/分)を誇るSP包装機330SP、 3次元フロービンシステムによる搬送の自動化・無人化、そして 攪拌造粒後、円筒造粒から乾燥、分級まで連続的かつ効率的な生産プロセスの具体的な紹介と解説をされた。

・講演2:「3次元セルラオートマタアルゴリズムによる即放性製剤の溶出シミュレーション」
座長:(湯淺 宏 氏)
塩野義製薬㈱ CMC研究本部 横山怜示 氏
製剤設計支援ソフトウェア F-CAD(CINCAP社)を用いて、難溶解性薬物の即放性製剤について主薬比率や錠剤空隙率、顆粒内外の崩壊剤の量が溶出性に与える影響を、シミュレーションによる予測値と実験値との評価を解説され、F-CADにより製剤の早期開発段階からQbDによる製剤設設計を行い、製剤設計の成功確率向上や検討用原薬の低減、開発期間の短縮を示唆された。

・講演3:「製剤物性評価におけるMRIの有用性」
座長:(森部 久仁一 氏)
富山大学大学院医学薬学研究部  教授 大貫義則 氏
水のプロトンの核磁気共鳴現象を利用した磁気共鳴画像法(magnetic resonance imaging)MRIは検体内の水の分子運動性を画像化でき、製剤物性評価ツールとして強力な分析ツールとして有効であることを解説され、研究事例としてクリーム剤の製剤安定性の評価や微粒子分散液の分散安定性の評価を紹介された。

・講演4:「走査型透過X線顕微鏡の応用研究」
座長:(青木 茂 氏)
分子科学研究所 大東琢治 氏
走査型透過X線顕微鏡(STXM)の特徴として、空間分散機能(~30nm)で、X線の透過力の高さを活かして大気圧下や水中の試料の測定が可能、元素固有の吸収端を利用することで着目する元素の化学状態の2次元分布を高分解能で分析することが可能、X線照射による試料のダメージが小さいことなどを解説され、研究事例として人の皮膚にデキサメタゾン(抗炎症剤)を塗布した時の、皮膚への浸透の観察状況を紹介された。

閉会挨拶                          副部会長 中村康彦 氏

以上
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