活動報告
第2回粒子加工技術分科会 報告
2016年11月28日
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(国研)物質・材料研究機構 川上氏の講演
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集合写真
1.見学会
(Ⅰ)開会の挨拶
ジェネリック医薬品製造の多忙な時期にも拘らず、見学会の万全の準備をしていただいたお礼を代表幹事より述べた。
(Ⅱ)日本ジェネリック㈱挨拶及び会社紹介
野中宏美つくば工場長より、歓迎の挨拶とつくば工場の紹介があった。
日本調剤㈱が親会社のため、調剤薬局から患者の声が直接聞け、その声を研究、開発に生かし“優れた医薬品をもっと広く、もっと身近に”の企業理念のもと、ジェネリック医薬品の普及に貢献しています。生産品目、数量ともに年々増加の状況で、年間生産能力100億錠の新工場(第二工場)を建設中で、2018年には竣工の予定であることが紹介された。
(Ⅲ)工場見学
年間生産能力36億錠のつくば第一工場の製剤棟として、N棟(少量多品種対応棟)とP棟(製造確定している多量生産対応棟)があり、今回はP棟を4班に分かれて見学者通路より見学をした。造粒‐混合‐打錠‐コーティング‐検査‐錠剤印刷‐包装の各工程では、幅広い品目のジェネリック医薬品生産対応のため、各工程において異なる機能装置を数基揃えて生産対応を
されていた。
2.講演会
(Ⅰ)講演開会挨拶
岐阜薬科大学 竹内洋文氏より、日本薬局方が130周年を迎えたことの紹介や、製剤と粒子設計をいろいろな分野、視点から考える本日の講演内容と講師紹介により、講演が開会された。
(Ⅱ)講演1:「ジェネリック医薬品の製剤設計
–患者さま、医療現場のニーズに応える製剤開発を目指して-」
日本ジェネリック株式会社 伊藤修正 氏
先発製剤より少しでも品質の高い、患者のためのジェネリック医薬品の製造、開発を目指している中で、製剤設計におけるポイントである①生物学的同等性、②安定性、③特許(製剤・結晶形)について、日本ジェネリックの実際の開発品の具体的事例をもとに解説された。
(Ⅲ)講演2:「消化管内の溶解挙動をふまえた難水溶性薬物の製剤設計」
国立研究開発法人 物質・材料研究機構 川上亘作 氏
難水溶性薬物について、溶けない原因(結晶が強くて溶けないケース、水性との親和性が低いケース)を正しく理解し、各製剤対応を図る必要があり、消化管内の溶解挙動と経口吸収のメカニズム解説と、難水溶性薬物へ適用される可溶化、微粉化、アモルファス化などによる具体的な事例により、それぞれの製剤設計の対応と効果を解説された。
(Ⅳ)講演3:「患者に優しい製剤の開発」
–大学から発信するエビデンスに基づく臨床製剤-」
東京理科大学 薬学部薬学科 花輪剛久 氏
医療現現場において、調剤の延長である臨床製剤(院内製剤)の、問題点(マンパワー不足や物理化学的性質、薬理効果、安定性などの検証ができない)を挙げ、医療現場にいた経験を持つ講師が、大学研究室が関わった事例をもとに、臨床製剤の問題解決のため、大学が発信するエビデンスに基づく臨床製剤の姿を解説された。
(Ⅴ)講演4:「粉末食品の新しい流動層造粒技術開発への取り組み 」
国立研究開発法人 農業・食品産業後術総合研究機構 五月女 格 氏
流動層造粒機で造粒プロセスの効率化を図るため、粉末食品(インスタントスープ)の顆粒製造を事例に、アクアガス(過熱水蒸気中に微細な熱水滴を分散した加熱媒体)をバインダーとした新しい流動層造粒技術の解説をされた。
(Ⅵ)閉会挨拶: 製剤と粒子設計部会 副部長 中村康彦 氏
以上