七夕と「粉」

今までもご紹介していますように、
伝統的な年中行事にしばしば粉が関係することがあります。
今回は七夕、ただし、粉といっても「こなもん」です。

平安時代、七夕の日には、米の粉と小麦の粉を混ぜて水で練って、
縄のような形にして油であげた麦縄(むぎなわ)
という菓子を食べる風習がありました。
元は中国から来た厄除けの行事だったようで、
七月七日に縄状の索麺(さくめん)という
麺=麦縄(むぎなわ)を食べました。
この索麺が素麺(そうめん)に変化して、
日本でも七夕の日には素麺を食べるようになったということです。

現在の素麺は小麦粉を塩水でよく練って生地を作ります。
その生地を押し広げて、延ばし、熟成させ、
そしてまた引き延ばして熟成という
作業を繰り返して作ります。
周囲の温度が低いとよく延び、
口当たりも良くなるといわれています。
そのため、昔は寒い季節に作られていたようです。
使用するのは小麦粉の中でも良質のでんぷんを含み、
タンパク質が10%以下の中力粉です。

暑さに向かう七夕の夕べ、
口当たりのよい冷たい素麺もいいですね。
(2014年6月メルマガより)

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