わらび餅
うだる様な暑さの京都からお届けしております。
この時期 日が暮れてほんのすこーし涼しくなると
♪わらび~もち の売り声が聞こえてきます。
軽トラックのスピーカを通しての売り声ですが、
昔は屋台を引きながら「チリン、チリン」と
鐘を鳴らして売っていたとのことです。
やっぱり鐘の音の方が涼しそうですね。
昭和30年ころまでは、関西地方では、
屋台で買えるわらび餅、白玉、志がらき(しがらき餅)などは、
夏を感じさせる手軽なスイーツとして親しまれていました。
わらび餅はわらびの地下茎を臼ですりつぶして
水簸で精製したわらび粉(最近はわらび粉入手難のため
甘藷でんぷんなどを混ぜた混合粉)から、
白玉は精白したもち米を水に漬け、
柔らかくして磨砕、乾燥した白玉粉から、
志がらきはもち米を蒸して冷やし、
乾燥後、粗く砕いた道明寺粉とよばれる粉から作られます。
いずれも食べる時は、砂糖やきな粉などを
まぶすというように粉との関係が深いものです。
志がらきは、最近なかなか見られませんが、
わらび餅や白玉は今でもポピュラーなものですね。
夕涼みのひと時、原料の粉の製造工程に思いを馳せながら、
やさしい日本の味を楽しみください。
(2013年7月メルマガより)