むぎふるい
寒い春が続くなぁと思ったら突然の夏日など
気候に対応するのが苦しい、、、と思う事務局です。
5月後半から梅雨に入るまでの頃は
麦の収穫期ということから麦秋と呼ばれます。
昔は、収穫された麦を「箕(み)」という農具を使って、
人力で麦の実と麦殻とを分けていました。
箕は竹ひごで編んだ柄の無い大形のちり取りといったものです。
この箕の中に麦の実と麦殻が混じった収穫物を入れて
頭の上に掲げ、風上に背を向けて立ちます。
もちろん屋外です。そして、ちり取りのすくい口に当たる
平らな面を風下に向け麦の実と麦殻の混合物を流し落とすのです。
すると軽い麦殻や異物は風で飛ばされ、
麦の実だけが体の傍に落ちることになります。
お気づきのとおり風力分級、分離操作にほかなりません。
箕の材料は樹枝、樹皮、つるなど、
穀物は米、麦、豆、粟などと色々ですが、
この作業は世界中で共通と言われています。
東京国立近代美術館にはこの作業を題材にした、
菊池契月画伯の「むぎふるい」という有名な絵画が所蔵されていて、
作業の様子がよくわかります。
この絵は、
http://search.artmuseums.go.jp/records.php?sakuhin=2153
でご覧になれますよ。
(2013年5月メルマガより)