かぎろひ
微粒子に関係した名前が付いた電車があります。
小田急の”あさぎり”や
時刻表には載っていませんが、近鉄の”かぎろひ”がそれです。
この”かぎろひ”という名前は、万葉集巻1-48の
柿本人麻呂が軽皇子の狩りの供をして阿騎野に
泊まった時に作った歌、
東(ひむがし)の
野に炎(かぎろひ)の
立つ見えて
反見(かへりみ)すれば
月西渡(つきかたぶき)ぬ、
から採られたものです。
「炎」とは何? かげろう?黄道光?朝焼け?と
いう有名な論争がありました。
結局、狩りの季節なので初冬、
時刻は月が西にあるので夜明け、
「炎」が東に見えるので日の出直前の情景、
ということから、空気中の微粒子による太陽光の散乱、
東の空が赤く染まる朝焼けが”かぎろひ”であり、
歴史的背景も考慮すると、
この歌が詠まれたのは、
692年11月17日(旧暦)の午前6時頃、
今の奈良県宇陀市大宇陀付近とまで特定されました。
これにちなみ、毎年旧暦の11月17日には、
宇陀市のかぎろひの丘・万葉公園にて
「かぎろひを観る会」が開催されるとのことです。
(2014年11月メルマガより)