粒子加工技術分科会 報告

スライドショーには JavaScript が必要です。

平成29年6月16日、本年度第1回の粒子加工技術分科会として、見学会と講演会をアステラス製薬㈱にて開催しました。

  • 見学
    高薬理活性物質の製品化を目指し2016年に完成した焼津製剤研究センター新5号棟の製剤工程(粉砕、篩過、秤量、混合、造粒、打錠、コーティング、充填・包装)において、コンテイメント対応した製造設備、施設を見学しました。ワンウェイ動線方式による交差汚染の防止、密閉設備・陰圧管理・集塵管理、およびウェットダウンなどによる作業者の安全、環境の配慮を図ったCTM用、商用の最新GMP対応の製造施設でした。
  • 講演会

    講演1:「製薬機器の粒子封じ込め性能評価 ~原薬と代替試料の使い分け~㈱住化分析センター クライアントサービス本部 上田 朋恵 氏
    高薬理活性物質を取扱う際に発生する労働暴露および交差汚染のリスクに対する評価と管理ツールとして使用されている封じ込め性能評価(SMEPAC試験)は、設備、作業環境の様々な改善点を考察する上で有効な手段であり、評価粉体が原薬と7種の代替試料の使い分けについて状況、メリット・デメリット、目標の3方向で比較紹介され、試験設計は考察や結果が生産体制に活用できるデーターを得られるように計画することが重要であることを解説されました。


    講演2:「服薬アドヒアランス向上を目指した製剤設計」静岡県立大学薬学部・薬学研究院 教授 並木 徳之 氏
    服用アドヒアランス(患者の理解、意思決定、治療協力に基づく服用遵守)を向上させて、
    患者に残薬や薬剤の破棄を減らし、適正な服用を促して期待する治療効果を得るためには、臨床的特性機能である①服用回数が少ない、②服用剤数が少ない、③服用負担少ない製剤が必要であることを、事例を挙げ紹介。服用アドヒアランスの向上には、製剤設計が最も重要であることを解説されました。


    講演3:「PATを駆使した製剤開発および生産適応する際の留意点」
    アステラス製薬㈱ 製剤研究所 主管研究員 神谷 貴行 氏
    PATツールは、製剤開発、製剤プロセスにおいて中間品の需要特性(CMA)を管理するシステムとして重要で、代表的なPATツールである近赤外線吸収スペクトル法(NIR)の特徴と品質管理事例のほか、ラマン分光法、テラヘルツ分光法での分析事例を紹介。PATの導入により、医薬品の品質保証体制はより強固となり、継続的改善や安定生産に貢献することを解説されました。


    講演4:「二軸押出成形機を用いた難水溶性薬物の製剤化検討」
    千葉大学大学院薬学研究院 教授 森部 久仁一 氏
    二軸押出成形機の加熱溶融混練法は、有機溶媒が不要、連続生産が可能、均一な溶融混練物が得られる等の利点がある。二軸押出成形機を用いた固体分散体の溶融混練物の調製は、プロセス(処理温度、スクリュー回転数、薬物融点、ポリマーのガラス転移点など)を制御することで、効率よくナノ結晶調製に応用できることを最新の研究成果の事例で紹介されました。


  • 閉会: 製剤と粒子設計部会 副部会長 中村康彦
    当会の本年度の企画である次回以降の本年9月、2018年2月の見学講演会、本年10月の製剤と粒子設計シンポジウム、11月の標準処方研究フォーラムの案内と併せて各行事への積極的な参加のお願いをして閉会としました。
以上
カテゴリー: 活動報告, 粒子加工技術分科会