SAP試験用粉体3
SAP試験用粉体3は、各種浄化フィルターの性能試験、各種測定機器の機能試験、各種機器・部品の防じん・耐じん試験、その他の各種試験において、特に極微小粒子径領域を対象とする試験に用いる試験用粉体であり、使用材料の特徴が異なる4種類があります。
日本粉体工業技術協会規格SAP14-12:－SAP試験用粉体3－に適合しています。
特徴・規格
SAP試験用粉体3種類別特性
SAP試験用粉体3の特徴は、使用材料の物性と粒子径分布が極微小粒子径範囲にあることにあります。
| 品種 | 中位径の範囲（μｍ） | 使用材料の特徴 |
|---|---|---|
| SAP試験用粉体3の1種（STP3-1） （けい砂） |
1.7～2.6 | 通常環境の砂じん 硬質 鋭角の粒子形 摩耗促進 |
| SAP試験用粉体3の2種（STP3-2） （タルク） |
3.6～6.1 | 軟質 扁平状粒子 潤滑性 被試験体を毀損し難い |
| SAP試験用粉体3の3種（STP3-3） （焼成関東ローム） |
1.7～2.5 | 土壌質ダスト 屋外粉じんの代表 |
| SAP試験用粉体3の4種（STP3-4） （重質炭酸カルシウム） |
0.75～1.3 | 代表的工業用材料 研究用試験用粉体 |
使用材料
SAP試験用粉体3の各使用材料のけい砂、タルク、焼成関東ローム、重質炭酸カルシウムは、JIS Z 8901試験用粉体１の使用材料と同一のものを使用する。
従って、これらの化学成分に関する規定は、JIS Z 8901の規定と同じである。
詳細は、協会規格SAP14-12附属書Aを参照下さい。
SAP試験用粉体3は、特に極微小粒子径領域を対象とする試験に用いる試験用粉体であり、それらの粒子径分布は、現時点で安定して供給可能なもので最も微細なものとした。
粒子径分布の測定方法（レーザー回折散乱法）、表示方法等および粒子径分布範囲についての詳細は、協会規格SAP14-12附属書Bを参照下さい。
1）SAP試験用粉体3の1種（STP3-1）（けい砂）
- 使用材料：けい砂
- 粒子密度：2.6～5.7g/cm3
化学成分
| 化学成分 | 質量分率 % |
|---|---|
| SiO2 | 95以上 |
| Fe2O3 | 合計5以下 |
| AI2O3 | |
| TiO2 | |
| MgO | |
| 強熱減量 |
粒子径分布
レーザー回折散乱法
| アンダーサイズ（質量基準） % | 粒子径 (µm) |
|---|---|
| 10 | 0.75～1.1 |
| 20 | 1.1～1.7 |
| 30 | 1.3～2.0 |
| 40 | 1.5～2.3 |
| 50 | 1.7～2.6 |
| 60 | 1.9～2.8 |
| 70 | 2.0～3.0 |
| 80 | 2.3～3.4 |
| 90 | 2.8～4.1 |
電顕写真
SAP試験用粉体3の1種（STP3-1）（けい砂）
2）SAP試験用粉体3の2種（STP3-2）（タルク）
- 使用材料：タルク
- 粒子密度：2.7～2.9g/cm3
化学成分
| 化学成分 | 質量分率 % |
|---|---|
| SiO2 | 60～63 |
| Fe2O3 | 0～3 |
| AI2O3 | 0～3 |
| CaO | 0～2 |
| MgO | 30～34 |
| 強熱減量 | 3～7 |
粒子径分布
レーザー回折散乱法
| アンダーサイズ（質量基準） % | 粒子径 (µm) |
|---|---|
| 10 | 1.7～2.9 |
| 20 | 2.3～3.9 |
| 30 | 2.7～4.6 |
| 40 | 3.1～5.3 |
| 50 | 3.6～6.1 |
| 60 | 4.0～6.9 |
| 70 | 4.4～7.6 |
| 80 | 5.1～8.7 |
| 90 | 6.3～11 |
電顕写真
SAP試験用粉体3の2（STP3-2）（タルク）
3）SAP試験用粉体3の3種（STP3-3）（焼成関東ローム）
- 使用材料：関東ローム（焼成品）
- 粒子密度：2.9～3.1g/cm3
化学成分
| 化学成分 | 質量分率 % |
|---|---|
| SiO2 | 34～40 |
| Fe2O3 | 17～23 |
| AI2O3 | 26～32 |
| ACaO | 0～3 |
| MgO | 0～7 |
| TiO2 | 0～4 |
| 強熱減量 | 0～4 |
＊上記成分は、天然物のため若干の差異が認められる事がある。
粒子径分布
レーザー回折散乱法
| アンダーサイズ（質量基準） % | 粒子径 (µm) |
|---|---|
| 10 | 0.89～1.3 |
| 20 | 1.2～1.7 |
| 30 | 1.4～2.0 |
| 40 | 1.5～2.3 |
| 50 | 1.7～2.5 |
| 60 | 1.8～2.7 |
| 70 | 2.0～2.9 |
| 80 | 2.4～3.5 |
| 90 | 2.9～4.2 |
電顕写真
SAP試験用粉体3の3（STP3-3）（焼成関東ローム）
4）SAP試験用粉体3の4種（STP3-4）（重質炭酸カルシウム）
- 使用材料：重質炭酸カルシウム
- 粒子密度：2.7～2.8g/cm3
化学成分
| 化学成分 | 質量分率 % |
|---|---|
| CaO | 54～56 |
| MgO | 0～3 |
| SiO2 | 0～4 |
| AI2O3 | 0～3 |
| Fe2O3 | 0～1 |
| 強熱減量 | 42～45 |
粒子径分布
レーザー回折散乱法
| アンダーサイズ（質量基準） % | 粒子径 (µm) |
|---|---|
| 10 | 0.31～0.54 |
| 20 | 0.38～0.65 |
| 30 | 0.45～0.79 |
| 40 | 0.57～0.97 |
| 50 | 0.75～1.3 |
| 60 | 0.95～1.7 |
| 70 | 1.2～2.0 |
| 80 | 1.4～2.4 |
| 90 | 1.7～3.0 |
電顕写真
SAP試験用粉体3の4種（STP3-4）（重質炭酸カルシウム）
使用指針
注意事項
a) 微小粒子径領域の試験
SAP試験用粉体3は、JIS Z 8901の試験用粉体1と同じ使用材料を用い、粒子径範囲を極度に微小化した試験用粉体です。
JIS試験用粉体1と同様に、集じん装置、エアフィルター等の集じん性能試験、各種計測器の機能試験、各種機器・部品の防じん・耐じん試験等に用いますが、粒子径は最近のニーズに合わせて極度に微小化しています。
b) 異なる使用材料による試験
試験用粉体を用いる各種試験の結果は、粒子径分布により影響されるのは当然であるが、他に、数値化できない物性、規格化できない物性、例えば粒子形状、粒子表面物性（付着性、凝集性、他）などにより大きな影響を受ける。
これらの物性の影響は、個々にではなく総合的な使用材料特有の物性の影響として試験する必要がある。
SAP試験用粉体3の使用材料であるけい砂、タルク、焼成関東ロームおよび重質炭酸カルシウムは、それぞれに物性に特徴のある粉体である。
c) 異なる粒子径分布による試験
SAP試験用粉体3とJIS試験用粉体1と合わせると、4種の同一使用材料について粒子径分布範囲の異なるものが3種類または4種類あり、異なる粒子径分布による試験にも対応できる。
価格
- 表示の価格は消費税を含んでいます。
- 送料（消費税含む）は別途見積書に記載されます
- 代金は納品後、別便にてお送り致します請求書記載の銀行口座に振込み下さい。
- 振込手数料はご注文主にてご負担願います。
| 品 種 | 包装単位（kg） | 会員価格 （円） |
非会員価格 （円） |
|---|---|---|---|
| SAP試験用粉体3の1種 (STP3-1) （けい砂） |
1.5 | 20,240 | 25,300 |
| SAP試験用粉体3の2種 (STP3-2) （タルク） |
1.0 | 12,760 | 15,950 |
| SAP試験用粉体3の3種 (STP3-3) （焼成関東ローム） |
2.0 | 21,340 | 26,730 |
| SAP試験用粉体3の4種 (STP3-4) （重質炭酸カルシウム） |
1.5 | 12,760 | 15,950 |
＊STP3-1～4はPEボトル入り、容器はいずれも3000ml。 価格改定日2023年1月1日