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H27年度合同分科会 報告(微粒子ナノテクノロジー&粒子加工技術)

2015年12月18日

  • Opening(神谷先生)
    Opening(神谷先生)
  • Sanjay先生の講演
    Sanjay先生の講演
  • 宮原先生の講演
    宮原先生の講演
11月26日、Inchem Tokyo2015 第2回日独先端化学技術フォーラムの午前の部を微粒子ナノテクノロジー分科会が、午後の部を粒子加工技術分科会が共催、担当し、合同分科会として開催しました。多くの方々にご参加いただきました。
午前の部“Session 1. Nanotechnology”にて、以下の二件の講演を開催しました。
1) Chemically Processed Functional Nanostructures for Energy and Health Applications
Dr. Sanjay Mathur, Inorganic and Materials Chemistry, University of Cologne, Germany

無機物を用いたナノ構造体の作製において、要求する特性に合わせてプリカーサーの設計やプロセスを制御する重要性が示された。併せてサイズや構造、表面特性を制御した酸化チタンや酸化鉄の調製事例、及びこれらの粒子を利用した水素製造プロセスや爆発物検知センサー、医療分野における応用事例を紹介された。

2) Synthesis and Characterization of Monodisperse Nano-Particles and Core-Shell Particles using Flow Reactors
Dr. Minoru T Miyahara, Department of Chemical Engineering, Kyoto University

原材料を極めて短時間で混合できるマイクロリアクターを用いたニッケルおよびシリカ-金コアシェルナノ粒子の作製事例を紹介。ニッケルナノ粒子の作製においては、マイクロリアクターを2段で使用し、1段目と2段目の滞留時間を変えた場合の中間体の状態によって、ナノ粒子の粒子径や粒度分布が制御できることを示した。また、シリカ-金コアシェルナノ粒子については、従来では煩雑な手順で10日程度かけて作製していたが、マイクロリアクターを多段で使用すると、数分程度の処理時間での連続合成が可能であることを紹介された。

午後の部である粒子加工技術分科会では、
1)Keynote Lecture 1    座長;愛知学院大学;山本浩充教授
“Therapeutic Polymer-protein Conjugates: Advances and Current Limitations.”
Dr. Tessa Lühmann, University of Würzburg

ポリマーとタンパク質との生物学的接合による合成方法について解説し、その現状とDDSへの適用について解説された。また、ヨーロッパのこの分野の研究の現状についても話された。

2)Keynote Lecture 2    座長;愛知学院大学;山本浩充教授
“Development of Useful Tools for Advancing Pharmaceutical Cocrystals”
Dr.Toshiro Fukami, Meiji Pharmaceutical University

コクリスタル(Cocrystal,共結晶)を利用し、医薬品の化学構造を修飾することなくその物理的化学的性質(溶解性や安定性等)を改良する手法と評価方法を主に解説され、その応用について解説された。合わせて、日本のこの分野の状況についても解説された。

3)Invited Lecture 3    座長;星薬科大学;米持悦生教授
“Evonik’s Brookwood Pharmaceutical Services: We make drugs smarter”
Mr. Juan Tome, Evonik Japan Co., Ltd.
エボニック社はオイドラギットを始め多くの医薬添加剤を作っているが、ポリ乳酸を用いた製剤に関しては40年間の経験があり、製剤開発から数十キログラムでの生産スケールまでのサービス体制を敷いていること等を解説された。

4)Invited Lecture 4    座長;星薬科大学;米持悦生教授
“Enhancing Bioavailability with Functional Excipients”
Mr. Takayuki Kochi, Process Solutions, Merck Millipore Corp.
メルク(独)は医薬品製造、医薬添加物製造等を行っている会社であり、薬物の生物学的有効性を上げる方法として、シリカを主とした溶解性向上製剤(Parteck SLC)とPVAを主とした持続性製剤(Parteck SRP 80)について解説された。

終了後、ナノテクノロジー分科会と合同で、有志と講師による日独交流会が会場近くで開かれました。化学工学会及び日本能率協会の担当者も参加し、今後の持続的交流についても話されていました。

以上
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