活動報告
食品粉体技術分科会 報告(粉砕分科会と合同)
2024年3月22日
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施設見学風景①
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施設見学風景②
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施設見学風景③
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山形大学 木俣教授のご講演
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日清エンジニアリング株式会社 中島様のご講演
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集合写真
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正田醤油株式会社 紹介
●正田醤油㈱について
正田醤油㈱は、創業が明治6年、醤油の製造販売を主とし、国内で業界第3位のシェアであり、群馬県館林市を拠点とした150年の歴史をもつ会社でした。館林東工場について、クリーンなエネルギー(天然ガス)を使用した環境に配慮した工場であること、物の流れをすっきりさせて製品安全を考慮した工場であること、醤油醸造について無人化・省人化した工場であること等を紹介いただきました。尚、館林東工場はISO14000「環境マネジメントシステム」だけでなく、食品安全マネジメントシステムに衛生管理等の強化を加えたFSSC22000認証工場であることもご紹介いただきました。
●施設見学(正田醤油㈱ 館林東工場)
原料受入から包装工程までの各工程、品質検査について見学させていただきました。見学時、加工途中のもろみや麹菌の香りを嗅いだり、圧搾工程では模型を使用して説明いただいたり、醤油作りの一連の工程について学びました。約6ヵ月の時間をかける発酵工程では、発酵タンクの温度調節についての説明がありました。また、発酵工程では、容量320kLのタンクの中身の攪拌方法について質問があったり、包装工程では密封ボトルの包装について質問があったりと、見学中の質疑応答も活発に行われました。さらに、太陽光発電システムについて説明いただき、環境に配慮した工場であることも実感しました。
●施設見学(㈱日清製粉グループ本社 製粉ミュージアム)
最新の製粉技術について展示されている新館と日清製粉のあゆみについて学ぶ本館の見学、製粉ラボ教室での製粉体験を行いました。新館では、実際の工場を映像・音で体験したり、新旧ロール機を見たり動かしたり、原料受入から出荷までのパノラマシアターを見たりしました。世界各国の小麦生産量や日本がどこから小麦を輸入しているかを当てるクイズは意外と難しく、皆さん驚いていました。製粉ラボ教室では、手回し式のロール、篩分け、ピュリファイヤ、そして空気輸送の仕組みを実験装置で確認しながら製粉工程を体験しました。参加者からは、ロールの種類やシフターの篩分けの仕組み等の質問があり、展示品を見ながら説明する場面もありました。
●講演①
山形大学工学部システム創成工学分野 木俣教授より、粉砕の基礎と応用について講演いただきました。粉砕の基礎では、粉砕機の種類と粉砕機構、粉砕作用によってどのような粒子径分布が得られるか、また、粉砕エネルギーはどのように考えるか等を説明いただきました。粉砕機によって装置に投入できるエネルギーが異なり、粉砕できる粒子径に関係することを説明いただきました。粉砕の応用では、粉砕助剤を添加することで粉砕物の凝集を抑制し、メカノケミカル反応が起こり、機能を持った粒子を生成できるメカニズムを説明いただきました。質疑応答では、粉砕エネルギーを低下させる方法について議論がなされました。
●講演②
日清エンジニアリング株式会社粉体事業部 中島様より、食品粉体のハンドリング機器‐マトコンシステム‐について紹介いただきました。食品製造のキーワードとなる少量多品種生産と自動化への対応について説明いただきました。少量多品種への対応については、計量・配合、混合、充填・包装、分解・洗浄の各工程が独立しており、複数バッチを同時並行できるため品種切替や設備稼働率向上に有利なことに加え、異物混入防止を考慮した設備設計がされているとのことでした。自動化については、コンテナの自動搬送や、自動倉庫への対応等を説明いただきました。食品のみでなく、化学や医薬品等幅広く導入されているとのことです。
最後に、2024年度の分科会についてご案内しました。また、隣接するレストランで懇親会を開催し、多くの方と情報交換しました。
以上
当分科会の開催案内は、こちらよりご確認いただけます。