活動報告

電池製造技術分科会 報告

2022年9月16日

  • 電池製造技術分科会 境コーディネータより開会の挨拶
    電池製造技術分科会 境コーディネータより開会の挨拶
  • ①日経BP総合研究所 狩集浩志氏の講演
    ①日経BP総合研究所 狩集浩志氏の講演
  • ②(株)東芝 高見則雄氏のご講演
    ②(株)東芝 高見則雄氏のご講演
  • ③(株)ADEKA 撹上健二氏の講演
    ③(株)ADEKA 撹上健二氏の講演
  • ④東京大学 生産技術研究所 所長 岡部徹氏の講演
    ④東京大学 生産技術研究所 所長 岡部徹氏の講演
  • ⑤株式会社堀場製作所 船戸康弘氏より計測機器商品の紹介
    ⑤株式会社堀場製作所 船戸康弘氏より計測機器商品の紹介
  • 2年ぶりの会場開催(会場:AP東京八重洲)
    2年ぶりの会場開催(会場:AP東京八重洲)

2022年6月23日、本分科会は、2年ぶりの会場開催となりWEB とのハイブリット開催を行いました。133名(会場101名、WEB 32名)の参加者のもと、最新の開発状況・今後の動向について、学会でご活躍の先生方から講演頂きました。
欧米中を中心に、電気自動車(EV)の本格的な普及と車載電池の量産が急速に進んでいて、従来のリチウムイオン電池の技術が飽和しつつある中で、電池と材料の低コスト化が一挙に進み、中国や韓国メーカーが大量製造で主導権を握りつつあります。欧州連合(EU)では、「電池規則」を施行して、電池製造者に、電池及び電池構成材料の二酸化炭素の発生量の開示を求め、希少資源のリサイクルを促進すべく一定比率のリサイクル材料の使用を義務付けるなど、標準化で主導権を握りつつあります。わが国では、この30年間、電動車や携帯機器、電池、材料、製造装置などの電池関連産業において、世界をリードしてきましたが、その優位性は急速に低下しつつあります。産業の競争力を維持、発展させるためには、早急にポストリチウムイオン電池の開発、商品化において技術革新を行い、主導権を握ることが必要とされます。
本分科会では、量産型EVの蓄電池や燃料電池の状況、酸化物系負極や硫黄系正極など次世代電池の開発状況、電池リサイクル技術の開発状況などのご講演をいただきました。また、講演会後には、いつもの交流会の代わりに、名刺交換会を開催しました。
 
【講演内容】
1)「量産型EVにおける蓄電池や燃料電池の分解調査」 
日経BP 総合研究所 コンサルティングユニット 上席研究員 狩集浩志氏・・・写真①
LiB、燃料電池の自動車各社リサイクル取り組み状況をご講演頂きました。
同社が実施した“EV分解プロジェクト”を行い日産「リーフ」、テスラ「モデル3、S」、Volkswagen「ID.3」、トヨタ「MIRAI」の分解を行い、電池パックの状況、解体の難易度について調査を行った。
各自動車会社のEV電池を実際に解体し、電池分解特性について詳細に比較した貴重なデータを開示して頂きました。
 
2)「チタン酸化物系負極を用いた大型リチウムイオン電池の技術と展望」 
(株)東芝 研究開発センター 首席技監 高見則雄氏・・・写真②
境先生のご紹介から高見様“紫綬褒章”の受章を報告。チタン酸化物負極に焦点をおいたLiB技術の講演をいただきました。LTO負極の二次電池「SCiB」セルの特徴として高出力、長寿命、急速充電、高安全性の特徴を活かして鉄道、バス、船舶への用途事例をご説明して頂きました。また、次世代電池開発としてLTO負極の代替として「チタンニオブ酸化物負極材」を用いた開発として高エネルギー密度、超急速充電、長寿命化への取り組みを講演頂きました。
 
3)「SPANを用いた高エネルギー密度リチウム-硫黄二次電池の開発」 
(株)ADEKA 環境・エネルギー材料研究所 撹上健二氏・・・写真③
同社の会社概要、リチウム硫黄電池(Li-S)の取り組みをご説明頂いた。S-Carbonの硫黄(S)の電解液への溶出(溶解・析出)、膨張など課題の説明。SPAN(Sulfer+Pan:硫黄変性ポリアクリルニトリル)の<650℃での焼成、硫化水素ガス発生の課題など具体的にご説明頂きました。SPANの用途についてLi―Mへの適用、負極の代替利用などご講演頂きました。
 
4)「電池などに使われるレアメタルのリサイクル技術の動向」 
講演者:東京大学 生産技術研究所 所長 持続型材料エネルギーインテグレーション研究センター 教授 岡部徹氏・・・写真④ 
東京大学生産技術研究所およびレアメタル研究会のご紹介を頂きました。 
南アフリカ白金鉱山の実情(白金採掘の際に百万倍のごみがでている) 
リチウムの資源埋蔵量よりもコストが重要(商業生産がいかに重要かがポイント) 
リチウムやタンタルは生産コストが安価な為、バッテリーからリサイクルするよりも圧倒的に安い 
リサイクルはCo、Ni、Cu程度しか商業的価値がない
 
5)電池材料開発/製造プロセス計測及びxEV開発ソリューションのご紹介  株式会社堀場製作所 船戸康弘氏・・・写真⑤ 
新しい幹事企業となった堀場製作所 船戸様から計測機器商品の説明を行いました。 

以上
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