活動報告

電池製造技術分科会 報告

2025年3月28日

  • 講演会の様子
    講演会の様子
  • 妹尾コーディネータよりご挨拶
    妹尾コーディネータよりご挨拶
  • Power-X, Inc. 池添様のご講演
    Power-X, Inc. 池添様のご講演
  • 製品評価技術基盤機構 五十崎様のご講演
    製品評価技術基盤機構 五十崎様のご講演
  • 中立新能源有限公司 李様のご講演 
    中立新能源有限公司 李様のご講演 
  • 豊橋技術科学大学 松田様のご講演
    豊橋技術科学大学 松田様のご講演
  • (株)セイシン企業 津吹様より製品紹介、PR
    (株)セイシン企業 津吹様より製品紹介、PR
2025年2月6日、本年度の第3回電池製造技術分科会を下記要領にて開催しました。
本分科会は、電池産業における粉体技術の向上を図るために20年以上前に設立されましたが、自動車や電力、モバイル機器、電池、材料、製造装置など電池関連産業において、交流と連携の場を提供して参りました。我が国では、1990年にはニッケル水素電池を、1992年にはリチウムイオン電池を世界に先駆けて商品化し、情報通信機器のモバイル化はもとより、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)、水素燃料電池車(FCV)、電力貯蔵用蓄電池などの実用化と普及に取り組んできています。最近では、世界的にEV産業の成長が著しく、2030年には3500万台が生産されると予想されています。また、風力や太陽光など再生可能エネルギーの導入も進んでおり、昼間に余った電力を貯蔵して夜間に使用するための系統用大型蓄電池の導入や、水電解して水素として貯蔵するシステムの導入も政策的に進められています。
世界的に蓄電池や電池材料の大幅な量産が進められた結果、電池材料に用いられる稀少資源の不足を招いており、ナトリウムイオン電池など稀少資源に依存しない次世代電池の開発が活発になっています。また、蓄電池の高容量化や大型化、さらに普及化に伴い電池由来の事故が多発しており、蓄電池の安全性評価試験や安全性の高い全固体電池への変革も進められています。
本分科会では、定置用蓄電池、大型蓄電池システムの試験評価、台湾におけるナトリウムイオン電池や、全固体電池などについてご講演いただきました。また、講演会の後では、交流会を開催しました。今回の第3回講演会参加者は、121名となりました。
 
講演1 「持続可能エネルギーのための定置用蓄電池—業界動向と次世代技術への期待」
Power-X, Inc. 製品開発、生産領域管掌 執行役 池添通則 氏
池添講師からPower-X社のご紹介と今後の電力需要予測(市場規模)から蓄電池の必要性から取組み状況についてご講演頂き、同社のIOTを導入した定置型蓄電池のご紹介、チャージステーション事業、電力小売りに対応した電力事業のご説明を頂き、電気を船にためて運ぶ海上パワーグリッド構想など夢のある構想を発表頂きました。
 
講演2 「NITEにおける大型蓄電池システムの試験評価について- 蓄電池評価センター(NLAB)の御紹介と試験事例 – 」
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 国際評価技術本部(GCET) 蓄電池評価センター(NLAB) センター長 五十崎義之 氏
五十嵐講師から国の運営する組織である製品評価技術基盤機構(NITE)のご紹介、同機構の役割、蓄電池評価センター(NLAB/大阪)の概要、大規模試験および実施可能な試験概要をご説明頂きました。
車載用電池の試験評価につながる試験設備をチャンバー部、排煙処理設備までご説明頂き評価施設の概要、試験結果を認証取得までにつながる手順などをご説明頂きました。
 
講演3 「台湾におけるナトリウムイオン電池の材料研究と電池開発、利用分野について」 中立新能源有限公司  社長 李孟倫 氏
台湾からお越しいただいた李社長講師から同社の会社概要および同社のナトリウムイオン電池をご説明頂きました。Naイオン電池の長所(低温性能が良く、安全性高い、低コスト)と短所(体積比の電気容量低い)から、需要予測(2024年比:2030年は20倍)、正極材(層状酸化物系:NMO)、負極材(ハードカーボン)の組み合わせによるセルレート特性など詳しく発表頂きました。
 
講演4 「液相からの硫化物系固体電解質の創製と全固体電池の構築」 豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 教授 松田厚範 氏
松田講師から豊橋技術科学大学で研究されているS系全個体電池の固体電解質(LPS)の製造工程と特性のご説明、硫黄過剰添加溶液による候伝導性電解質の合成法、イオン交換法(IE)によるLi4SnS4固体電解質の合成と大気下での安定性について詳しくご説明頂きました。
 
講演5 「電池材料の球形化/複合化と粗粒子除去技術について」 株式会社セイシン企業 素材・プロセス開発部 部長 津吹幸久 氏
回の世話人を務めたセイシン企業/津吹氏から同社の粉体プロセスにおける正極材、負極材(黒鉛)の球形状化技術のご紹介があり、同社の粉砕・球状化・分級プロセスで活躍する製品の紹介・PRを発表がありました。
 
2025年度第1回 電池製造技術分科会開催は、2025年6月26日(木)に東京大学駒場キャンパス コンベンションホールにて予定しています。
 

以上

本分科会の開催案内は、こちらよりご確認いただけます

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