活動報告

計装測定分科会 報告

2024年10月18日

  • コーディネータ 後藤先生の講演
    コーディネータ 後藤先生の講演
  • マイクロトラックベル 恩田氏の講演
    マイクロトラックベル 恩田氏の講演
  • マイクロトラックベル 平村氏の講演
    マイクロトラックベル 平村氏の講演
  • 副コーディネータ 武居先生の講演
    副コーディネータ 武居先生の講演
2024年10月16日、「粉体技術者養成講座 計測測定」を第1回計装測定分科会としてオンラインで開催しました。今回は、乾式の測定方法をテーマとました。以下に報告します。
 
①乾式粉体測定の基礎(後藤先生)
粉体は微小な固体粒子(一次粒子)の集合体である。このため、乾式粉体プロセスでの粉体挙動の違いを表すためには、一次粒子の性状の違いを表す物性と、その集合体としての特性、すなわち粉体特性の評価が必要となる。それら粉体を乾式プロセスで扱う上で必要な粒子物性、粉体特性について説明頂いた。
 
②ビデオ講座:測定の実際と注意事項(各30分)
ⅰ粒子径分布(マイクロトラックベル)
粒子径分布の評価には多くの手法がありますが、レーザ回折・散乱法は粉粒体の開発、製造、品質管理等でよく利用されている手法の一つである。この方法は湿式または乾式の状態で分散した粒子にレーザ光を照射することで発生する散乱光パターンから粒子径分布を決定する。実際の測定データを用いて測定原理・手法をわかりやすく解説した。
 
ⅱ比表面積・粒子密度(島津製作所)
粒子の特性を知る上で、比表面積や粒子密度は重要なパラメータの一つになる。比表面積はガスを試料表面に吸着させ、その吸着量から求めるガス吸着法をご紹介した。粒子密度は気体を使用する定容積膨張法をご紹介した。この方法は試料の溶解や濡れの心配がなく、回収や繰り返し測定が容易に行える。
 
ⅲ結晶構造(リガク)
粉体分析のためのXRD(X線回折)は、粉末状の試料の結晶構造を明らかにするための手法である。XRDを使用すると、粉末試料にX線を照射し、生成された回折パターンを解析することで、結晶系、格子定数、結晶粒サイズ、結晶の向きや欠陥などの情報を得ることができる。特に新素材の開発や品質管理において、材料の特性評価に重要な役割を果たす。
 
ⅳ流動性・噴流性測定(セイシン企業)
粉体のハンドリングや充填に於いて基本物性を押さえることは重要である。配管中の詰まりや付着、成型時の破損しやすさの評価などにも利用されている。粉体の基本物性の中でも流動性や噴流性について、評価方法や意味合い、測定結果を利用した応用など説明した。
 
v粉体流動性測定(スペクトリス)
パウダーレオメーターFT4を用いた動的流動性評価法について紹介した。粉体流動性の評価には安息角などに代表される静的流動性評価法とせん断試験などに代表される動的流動性評価法がある。今回は標準的な流動性評価方法になりつつあるせん断試験と近頃注目されている透過性試験について特に詳しく説明した。
 
総括・質疑応答(武居先生)
 
まとめ
本年は、会員の参加費を無料とし、昨年の2倍以上となる77名の参加をいただきました。毎年、同じテーマではなく、年ごとにテーマを変えるようにしました。今年は「乾式測定」とテーマを絞ることにより、昨年取り扱えなかった、比表面積測定や、かさ密度測定、X線測定も盛り込むことができ、今までに参加頂いた方にも新しい情報を提供できました。

以上

本分科会の開催案内は、こちらよりご確認いただけます。

PAGE TOP