活動報告
粒子積層技術分科会 報告
2025年12月8日
-
①九州工業大学大学院 山村教授のご講演
-
②株式会社村田製作所 山口様のご講演
-
講演会の様子
-
集合写真
まず初めに、事務局より2026年11/25~27に開催される“POWTEX2026”の案内を行った後に、粒子積層技術分科会・中尾代表幹事より開会挨拶、株式会社東北村田製作所・平塚様から株式会社東北村田製作所の紹介を行った。その後、九州工業大学大学院・山村先生(当分科会・正コーディネータ)よりリチウムイオン電池電極作製時に発生する問題(乾燥時の偏析・き裂の発生)やそのメカニズムに関する講演【講演①写真】、続いて株式会社村田製作所の山口様からリチウムイオン電池の各要素技術に関するこれまでの検討例や今後の予測に関して講演【講演②写真】して頂いた。最後にリチウムイオン電池(正極)の製造工程の見学を行った。講演概要を以下に示す。
1) 「リチウムイオン電池電極の小粒子(バインダ)偏析の可視化および乾燥工程での割れ抑制について」九州工業大学大学院 教授 山村方人 様
(【講演①写真】参照)
リチウムイオン電池の製造では塗布工程の後に乾燥・硬化工程へと続くが、講演では、まず乾燥工程前半で小粒子の表面偏析が発生するメカニズムやその観測方法、および改善例についての説明があった。続いて、乾燥工程後半で発生するき裂に関するメカニズムや測定方法、成分添加による改善例などが紹介された。
2) 「リチウムイオン電池のプロセス概要と最近のトピックス」 株式会社村田製作所 山口 晃 様
(【講演②写真】参照)
まず動画を用いたリチウムイオン電池の製造工程の紹介の後に、リチウムイオン電池の4大構成材料(正極・負極・電解液、セパレータ)の中で、負極とセパレータに関して検討した例が紹介された。負極には炭素系材用が用いられているが、スズ系アモルファス材料を負極に用いることによって充放電サイクル特性の向上に成功したこと、セパレータに関しても多孔質高分子膜にセラミック粒子をコーティングすることによって短絡を防止し安全性を高めることに成功したことが報告された。また最後に、溶剤を使用しない電極(ドライ電極)に関する可能性・技術が紹介された。
閉会挨拶
粒子積層技術分科会・副コーディネータの金沢京大学・瀬戸先生より閉会の挨拶を行った。
以上
本分科会の開催案内は、こちらよりご確認いただけます