活動報告
粉体シミュレーション技術利用分科会 報告
2025年1月23日
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東京大学大学院 教授 酒井幹夫 氏の講演
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講演の様子①
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(株)構造計画研究所 SBDエンジニアリング部 部長 渡辺 香氏の講演
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講演の様子②
■PXフォーラム 粉体プロセスDX
1.超スマート社会のものづくりのための粉体シミュレーション技術 東京大学大学院 工学系研究科 原子力国際専攻 教授 酒井幹夫 氏
現在、世界標準となった粉体解析手法DEMの現状の開発動向と共にその原理について丁寧に数式ベースからのご説明を頂きました。開発事例として、二軸混錬機と実験との比較や流動層の計算と実験比較より粗視化モデルや液架橋モデルの信頼性を説明頂きました。
2.AIで変わる粉体シミュレーションの最前線 (株)構造計画研究所 SBDエンジニアリング部 部長 渡辺 香 氏
AIを用いた粉体解析の事例を紹介頂きました。DEM解析に必要となる粉体物性をNNより推算する方法や計算結果をCNNで学習し、将来予測の解析を実施し、よく予測できていることが分かりました。また、粗視化モデルの結果から実粒子解析の結果を予測する方法についてもご紹介頂き、当に。最新技術満載の講演となりました。
PXフォーラムでは、130名超の方にご参加いただきました。
■粉体シミュレーション 出展社プレゼンテーション
1.Ansys Rockyによる磁性粉体のDEMシミュレーション 株式会社 IDAJ解析技術6部 松野千裕 氏
離散要素法(DEM:Discrete Element Method)によるパーティクルシミュレーターAnsys Rockyで、固体粒子の運動・接触などの解析に加えて、強磁性体材料の粒子に生じる磁気力を考慮した解析。磁性粉体の解析をご説明いただきました。
2. 粉体シミュレーションにおける生成AI利用の可能性とDEMアプリYADEの活用 株式会社インサイト 代表取締役 三好昭生 氏
DEM(離散要素法)アプリとしてある、YADEを活用する事により、粉体シミュレーション技術で、生成AIを利用する可能性についてわかり易く解説された。
3. シミュレーションによる次世代粉体挙動解析(混合/搬送/充填等)のご紹介
プロメテック・ソフトウェア 株式会社 エンジニアリング事業本部 営業部 第1営業チーム セールスレプレゼンタティブ 川上 瞬 氏
粉体を取り扱われているメーカーの中には、予期しない課題に直面されるケースがある。次世代粉体挙動解析(混合/搬送/充填等)と題し、自社の粉体解析ソフトウェアを用い粉体シミュレーションにおける活用事例のご紹介があった。
4. 粒子挙動解析ソフトウェアEDEMによる粉体処理プロセスの最適化事例
アルテアエンジニアリング(株)技術本部術テクニカルマネージャー 河野稔弘 氏
自社開発ソフトウェアのEDEMについて、特長的な機能の一例として機能向上したデータ分析ツールとの組み合わせによる効率的なシミュレーション運用例の紹介があった。また適用事例として近年注目を集めるバッテリー製造における各工程に適用した例の紹介があった。
5. 粒子系シミュレーションに必要な物性パラメーターの取得と圧縮特化型DEMのご紹介
(株)ナノシーズ/ソフトマターソリューション合同会社 代表 山井三亀夫 氏
オリジナルの圧縮成形モデルを実装し、圧縮成形に生じる硬化・破断などの現象に強みを持った GranuleFlowの紹介があった。バッテリー、粉末冶金、セラミックス、バイオマテリアルなど様々な分野に応用可能であるなどの解説があった。
6.粒子法解析ソフトウェアAiSPHによる粉体加工プロセスの課題解決の事例紹介
GreenHigh (株)/横浜国立大学 大学院環境情報研究員特任助教 工学博士 呂 学龍氏
SPH法(Smoothed Particle Hydrodynamics)を用いたAiSPHは、物理モデルを中心にした構造、流体、粉体シミュレーションプログラムで、AIによる作業の自動化を通じて SPH法をさらに進化させている。様々な粉体加工プロセスにおける課題解決の事例紹介があった。
7.粒子シミュレーションのご紹介(CFD-DFMカップリング、AIの活用) 株式会社テラバイト 齊藤 展 氏
CFDとDEMの連成解析の計算手法と、粒子同士の衝突を応力モデルで近似するMP-PIC法について、概要を説明いただいた。また、OpenFOAMやBarracudaによる連成解析事例と、粒子混合の最適な角速度をAIを活用して求める事例についても紹介があった。
8.微粒子・粉体AI画像解析ソフトウェア「AIPAS」~AIが変えるミクロ粉体の画像の定量解析~ BULE TAG株式会社 中尾悠基 氏
オフライン環境で運用することができる粒子・粉体AI画像解析ソフトウェア「AIPAS」の紹介をされた。深層学習を用いることで、従来のルールベース画像処理では解析困難であった粒子・粉体画像に対し高精度の検出/ 計測についてご説明いただいた。
9.なぜ粉体・流体シミュレーションiGRAFで粉体プロセス課題が解決できるのか? 株式会社構造計画研究所 松尾光昭 氏
iGRAFという粉体・流体混相流シミュレーションソフトの基本的な特徴の説明がなされた。また、iGRAFを用いて解析側からどのように実機での問題解決にアプローチするのか、ミキサーでの撹拌を題材に説明いただいた。
10.プロセス産業の製造工程をもっと知るためのシミュレーションのご紹介 株式会社FRONE 野村尚志 氏
統合型CAEソフトウェアであるSimcenter STAR-CCM+の製品概要を簡単にご紹介いただいた後、プロセス産業の1つの例として、医薬品業界様で考えられる製造工程について、Simcenter STAR-CCM+を使用した解析事例や、CFDやDEMの利用の可能性をご説明いただいた。
11.電池材料の物性評価方法:流動性、付着・凝集性、動的安息角、摩擦帯電量、チャージフォトメトリー(NEW)
ライフィクスアナリティカル株式会社 西村 隆 氏
「電池材料分析装置イルミオンONE」の紹介として、電極粉末材料にフォーカスして、その流動性・付着性の評価事例を「パウダーレオメータFT4」と「動的安息角測定装置GranuDrum」のデータとともにご紹介いただいた。その後、イルミオンONEで画像観察できるLi粒子の充放電過程を動画を交えてご説明いただいた。
以上