活動報告
粉体ハンドリング分科会 報告
2024年12月19日
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京都大学名誉教授 松坂先生の講演
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会場の様子①
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大阪大学大学院 教授 田中先生の講演
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会場の様子②
1.開会挨拶(司会)
代表幹事:三興空気装置㈱ 岸本武志氏
本日、粉体機器ガイダンスに参加いただいた皆様へのお礼と、講演内容について紹介をおこなわれた。
2.技術講演1 『粉体流動性評価試験方法の最新情報』 コーディネータ:京都大学 名誉教授 松坂修二氏
先ず初めに、流動性評価試験の必要性に述べられた。流動性評価には、せん断試験が適しており、圧密せん断試験として2種類の方法を紹介された。
・定荷重せん断試験法:均質で定常なせん断面を形成する必要があり、粉体層を圧密し、予備せん断が必要となる。
・定容積せん断試験法:予備せん断は潜在的におこなわれている。
粉体層の垂直応力に関する問題点もあり、セル構造とセンサーの配置が重要である。下部セル一体構造が適切なセル構造であるとのこと。定容積せん断試験法の特長をロスコ―状態図を用いて説明をおこなう。定容積せん断試験装置で多用な情報と限界状態線CSLが得られ、定荷重せん断試験装置を兼ねることができるとのこと。
まとめとして、産業に役立つ特性試験装置とは、実用性があり、微小な違いを検知する感度をもっていること。また、詳細な解析にも対応できる豊富な情報量取り出せる必要があるとのことである。
3.技術講演2 『DEMシミュレーションで見る粉体の挙動』 コーディネータ:大阪大学大学院 教授 田中敏嗣氏
粉粒体の挙動(空気輸送装置内の流れ)について説明いただく。低濃度高速輸送は高速で粒子を分散し搬送するため、粒子の破砕が起きる。高濃度低速輸送(プラグ輸送)では。低速で下に溜まった状態で搬送するため、粒子の破砕は
起こりにくい。DEMとは、離散要素法の略で1個1個の粒子の挙動を追跡するもので、その特徴は、接触力などを機械要素でモデル化して個々の粒子の運動を追跡することにより広範の現象を良好に再現できる。DEMを使った回転円筒内の粒子流動(混合、偏析)の動きを動画で紹介した。その他に流動槽内の粒子挙動予測や3次元流動層の大規模解析の状態を動画で紹介された。また、建設重機による例で粉粒体層への平板の貫入過程についての層の状態、せん断層滑り線が変形していることの説明があった。最後に粉体層にバインダー液を注入した時(液架橋力による付着力を有する場合)の説明をおこない、まとめにはいった。
離散要素法(DEM)は計算機の発展によって粉粒体の挙動予測法として多く利用されるようになった。各種モデル開発も活発に行われ、応用分野も拡大しており更なる発展が期待できるとのこと。
4.プレゼンテーション1(製品紹介)
「振動応用機器-1 輸送」 シンフォニア テクノロジー㈱ 金藤厚宏氏
先ず初めに会社紹介として、振動機をメインに製造している会社であると説明いただいた。振動を応用した輸送機は、振動の力を利用して、粉体・固体を搬送する装置のことで物体を跳ね上げながら搬送する。流動化作用、摩擦の低減作用、ふるい分け作用など振動の利用方法による分類について説明がおこなわれ、振動機の製品群について紹介をいただいた。最後に振動機ラボの紹介で締めくくった。
5.プレゼンテーション2(製品紹介)
「振動応用機器-2 粉砕、分級、ふるい分け」 ㈱村上精機工作所 岩田将志氏
会社紹介がおこなわれ、2024年ユーラスバイブレータの納入実績が99万台突破されたとのこと。次に製品紹介では、ふるい分け機「ジャンピングスクリーン」や粉砕機「バイブロミル」、分級機「マイクロカット」について説明をいただいた。ジャンピングスクリーンで30~50Gの振動で波動運動を与えているとのこと。国内の販売実績300台以上である。各製品の特長や構造、ラインナップの紹介があり、最後にサンプル試験が可能な施設があることの紹介があった。
6.質疑応答
Q:㈱村上精機工作所「マイクロカット」について、不定形の樹脂を20μに粉砕し形を整えられるか?例えば球状にするとか?
A:形を整えることは不可。粒径を揃える装置である。
7.閉会挨拶
粉体機器ガイダンス(粉体ハンドリング)への参加お礼と受付にある粉体技術総覧24-25のご案内をもって閉会とした。
以上