活動報告

トップページ > 活動報告 > 分科会活動 > 環境エネルギー・流動化分科会 > 環境エネルギー・流動化分科会 報告

環境エネルギー・流動化分科会 報告

2025年7月23日

  • ①-1 富士クリーン 集合写真
    ①-1 富士クリーン 集合写真
  • ①-1 富士クリーン 集合写真
    ①-1 富士クリーン 集合写真
  • ②-1 エコマスター 集合写真
    ②-1 エコマスター 集合写真
  • ②-2 エコマスター 施設見学写真
    ②-2 エコマスター 施設見学写真
  • ②-3 エコマスター 説明風景
    ②-3 エコマスター 説明風景
2025年6月24日、今年度第1回目の分科会として、香川県の環境・エネルギー関連施設の見学会を開催しました。以下に概要を報告します。
 
①(株)富士クリーン「中間処理施設」、「縦型乾式メタン発酵プラント」
最初に訪問した(株)富士クリーンでは、焼却、メタン発酵、プラスチック燃料製造、ばいじんや燃え殻などの造粒固化により、廃棄物の適正処理・減量化のみならず、これらを再資源化し再利用する循環型社会に大きく貢献する取り組みがなされていた。今回は、時間の都合上、焼却施設(中間処理施設)とメタン発酵施設の2施設について説明ならびに見学の機会を頂いた。
焼却施設は、ロータリーキルンとストーカ炉の組み合わせである、いわゆるキルンストーカ式の焼却方式で、産業廃棄物、一般廃棄物、低濃度PCB廃棄物や医療廃棄物などが処理されていた。処理規模は1炉あたり180トン/日と、産業廃棄物としては単炉として国内最大級規模の施設であるとのこと。PCB処理においては、2015年3月に国の低濃度PCB無害化処理認定を取得し、2016年から無害化処理を開始している。さまざまな性状の廃棄物を適正に焼却処理するために、廃棄物の特性に応じた破砕、前処理、汚泥などの乾燥処理、またオペレータのクレーン操作による混合作業を行っており、そこに高い技術とノウハウの蓄積を感じることができた。
メタン発酵は、縦型乾式メタン発酵方式を採用しており、一般廃棄物、紙ごみ、動植物性残渣等を処理している。NEDOの「バイオマスエネルギーの地域自立システム化実証事業」の助成事業として採用され、実証事業で掲げた目標値を概ねクリアーし、その後現在に至るまで順調に稼働している。発酵処理において一般的に課題となる発酵残渣の取り扱いについては、隣接の焼却施設で焼却処理し、その問題をクリアーしている。各施設の特性を活かし資源循環を実現している様子を見学することができた。
 
②(株)エコマスター「バイオマス資源化センターみとよ」
続いて(株)エコマスターが運営する「バイオマス資源化センターみとよ」を見学した。本施設は2017年から、三豊市の家庭や事業所から出る燃やせるごみを発酵・乾燥させて「固形燃料」の原料としてリサイクルする日本発の工場として稼働した「好気性発酵乾燥方式」のごみ処理施設である。
施設に持ち込まれた廃棄物は、破砕・混合されたあと、コンクリート製の発酵槽に積み上げられ約2~3週間かけて発酵と乾燥が行われる。廃棄物の積み上げにおいては、これまでの経験ノウハウを活かし空気の流通を良好に保つ工夫がなされているとのことで、過度な温度上昇等のトラブルなく良好な処理が出来ているとのことであった。また、発酵槽から発生する臭気を帯びた空気は、木くずを積み上げたバイオフィルター(生物脱臭槽)を通すことで、臭気が外部に漏れだすことを防いでいた。
製造した固形燃料用の原料は、他の施設にて産業廃棄物等と混合され固形燃料化されたのちに、製紙会社等の発電ボイラの燃料として利用されている。日本においては、廃棄物は焼却処理されるのが一般的であるが、「バイオマス資源化センターみとよ」では、最終的に製造される製品(固形燃料)の引き取り先の確保と、様々な工夫による安定した発酵乾燥処理の実現により、焼却処理とは一線を画す処理の状況を見学することができた。
 
③技術懇談会
見学会の後、丸亀市内に移動して技術懇談会を行ったが、バイオマス処理に関する意見交換が各テーブルでなされ議論白熱の会となった。
 
今回の見学会で設備見学にご対応頂いた(株)富士クリーン様、(株)エコマスター様、並びにご参加頂いた皆様に御礼申し上げます。
 

以上

本分科会の開催案内は、こちらよりご確認いただけます

PAGE TOP