活動報告
環境エネルギー・流動化分科会 報告
2019年1月8日
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大生黒潮発電所での集合写真
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大生黒潮発電所説明風景
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前田産業チッフ゜製造工場
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大霧地熱発電所
初日の大生黒潮発電所は昨年運転開始した新しい施設で、発電施設はブルクハルト社製木質ペレットガス化発電設備165kw×10台を備え、排熱はおが粉の乾燥やバイナリー発電で有効活用するという最先端の木質バイオマス発電所である。使用木材は地産地消、輸入材に頼らない2MW以下の地域経済圏とマッチした木質バイオマス発電のお手本のような設備である。参加者は見学できたこと自体に深く感銘を受け、まだまだ模索することも多々あるというお話も聞き、是非とも日本の再生化可能エネルギー活用の模範となるよう願ってやまなかった。
2日目の九州電力 大霧地熱発電所は霧島火山帯にある地熱発電所としては阿蘇山近くの大分県九重町 八丁原地熱発電所に次ぐ30MWの出力を有する施設である。霧島火山帯と言えば、今年に入り新燃岳の活動が活発化したりと話題になったが、今回も桜島からは遠くからでも噴煙が見えたりとその火山活動を肌で感じ取ることができた。地熱発電の歴史は古く、大霧発電所の場合、1973年地質調査から始まり、その後、地権者との調整、周辺温泉施設への説明など建設、運転開始までに実に20年以上の歳月を掛けている。しかし運転開始から更に20年以上たった現在でも活発な火山帯がある限り、地熱は枯渇することのない半永久的なエネルギー源であり、今後もますます期待されるものと実感した。
次に、最後の見学先として霧島市の前田産業のチップ製造工場を見学した。こちらの木材加工工場では、自然原木のみならず、建築廃材などの所謂、産業廃棄物の内の木くず類も受け入れている。原木類は薪や燃料用チップを製造しており、チップ化工程においては皮剥ぎ後、チッピングしエンドユーザーの利用形態に合わせて水分調整、粒度調整され出荷されている。その利用用途はさまざまで薪一つをとっても薪ストーブ用、ピザ窯用、鰹節燻製用では調整が違うことを学んだ。建築廃材類は不燃物を選別後、木材部位種(根、枝、竹等)別に更に分別破砕し、堆肥原料、畜産農家へは牛舎敷料、製紙会社へは燃料として出荷されている。敷地内はまさに木材だらけ、他には何もない世界であり、皮剥ぎやチップ化している工場内では作業員の方々が黙々と作業に従事されていたが、癒しの効果満点の木の香りが漂っているのは、ある意味うらやましかった。
南九州の地で木質バイオマス利活先端技術や火山地帯という地域特性を生かした自然エネルギー利用施設を同一機会に見学できたことは幸運でした。担当幹事、名誉コーディネーター、コーディネーターそして今回の企画に多大なるご助言をいただいた前田産業株式会社 前田専務、各位のご尽力の賜物であり深く感謝いたします。