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環境エネルギー・流動化分科会 報告

2017年12月6日

  • 幡野コーテ゛ィネータより開会の挨拶
    幡野コーテ゛ィネータより開会の挨拶
  • 吉葉先生の講演
    吉葉先生の講演
  • 総合討論の様子1
    総合討論の様子1
  • 総合討論の様子2
    総合討論の様子2
11月16日、環境エネルギー・流動化分科会 第71回分科会(平成29年度第3回)はコーディネーターの幡野先生の拠点である中央大学後楽園キャンパスにて首都大学東京名誉教授 公共投資ジャーナル社 論説主幹の吉葉正行先生をお招きしての「ごみ焼却炉の高温腐食」に関するご講演と「進化する流動床焼却炉」と題して焼却炉メーカーから4件の講演を行いました。

講演:「ごみ焼却施設と高温腐食~温故知新学と多事雑言」 吉葉正行 氏
廃棄物発電におけるボイラー水管高温腐食に関する問題点と解決へのアプローチなどのお話しに留まらず、日本におけるエネルギー政策、環境調和、トリレンマ問題、循環型社会システムなどといった大局的な課題を俯瞰し将来展望を語られていたことが印象的だった。

講演:「進化する流動床焼却技術」としてごみ焼却から2報、汚泥焼却から2報の発表。
1)「流動層の強みを生かす廃棄物焼却システム」荏原環境プラント㈱  長 洋光氏
ごみ焼却における改良された流動床炉の優位性について概説した。焼却施設からの送電量を一定制御するモードの導入事例などの高度化したシステムの紹介があった。また、資源生産性の指標であるTMR(関与物質総量)の視点で、ごみに含まれる資源を有効利用するプロセスの評価結果について解説されていた。

2)「流動層を活用した廃棄物処理のこれまでとこれからの取り組み」㈱神鋼環境ソリューション 坂田和昭氏
従来流動焼却の炉床負荷は構造指針で450kg/m2h以下と決められていたが、低空気比燃焼を技術目標とした流動床式ガス化溶融炉では倍以上の炉床負荷での緩慢ガス化燃焼技術が確立された。ここでの次世代型流動ガス化燃焼炉では同一炉床負荷での低空気比運転でも良好な流動を確保した緩慢燃焼が可能であり、フリーボード部での抜熱(熱回収)、排ガス再循環とを組合せ、炉内高温化抑制によりボイラ効率が向上した。また流動床特有の炉内脱塩効果で従来材でもボイラ高温高圧化の組合せで従来以上の高効率発電が達成できると解説した。

3)「下水汚泥多層燃焼流動炉を核とした脱水・燃焼・発電システムの全体最適化」メタウォーター㈱柳瀬哲也氏
下水汚泥流動焼却炉は近年の下水汚泥の高カロリー化に伴い、化石燃料を必要とするエネルギー消費型から自燃または余剰熱発生という創エネルギー型に向かっている。そのため焼却プロセスだけでなく、前段の脱水プロセスと組み合わせて全体最適化を考えることでコストミニマムを達成し、加えて低温熱源による発電システムを導入することで電気エネルギー創出を図る提案を行ない、実証したことを紹介した。

4)「過給式流動焼却設備の運転状況と今後の展開」月島機械㈱   長沢 英和氏
過給式流動炉の最新動向の発表があった。最大の特徴である流動ブロワと誘引ファンが不要となることによる消費電力削減効果についての実績報告があった。また過給機を流動用空気の加圧(昇圧)に用い、流動ブロワを不要とする新たな過給機を用いたシステムの紹介、創エネルギー化を目指す下水汚泥流動焼却プロセスの今後の方向性について述べた。

総合討論では、壇上に講演者5名に並んでいただき、参加者からの質問にお答えいただきました。白熱したやり取りが進む中、吉葉先生が炉講演者に向けて質問するなど、なごやかな雰囲気も醸し出しながら閉会となりました。講演会には定員とほぼ同じの約40名の聴講者が参集し、懇親会も後楽園駅ビル内にある場所にて開催され、闊達なご意見も頂戴しながら盛況の内に解散となりました。

以上
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