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湿式プロセス分科会 報告(晶析分科会と合同)

2024年8月16日

  • 会場入口
    会場入口
  • セミナー会場の様子
    セミナー会場の様子
  • 塩の結晶でできた法隆寺五重塔
    塩の結晶でできた法隆寺五重塔
  • 湿式プロセス&晶析分科会の集合写真
    湿式プロセス&晶析分科会の集合写真

2024年7月31日、今回は湿式プロセス分科会と晶析分科会との合同分科会を開催いたしました。
岩塩資源のない日本では、古くから海水から塩を採る方法が用いられてきました。海水を濃縮(採かん)して煮詰める(煎ごう)という我が国独特の手法が改良され、現在では、採かん操作は、イオン交換膜で、煎ごう操作は蒸発晶析で行われています。このような製塩プロセスは、晶析に引き続き分離工程もあり、それ以外にも様々な単位操作から成り立っています。
セミナー前半は、製塩工程に関する晶析技術に関する取り組みについてご講演頂きました。セミナー後半は、固液分離における晶析プロセス技術に関する研究内容を中心にご講演頂きました。各講演とも多数の質問があり非常に盛況でした。また、交流会にも多数の方にご参加いただき、懇親・意見交換が行われました。以下に報告いたします。
 
【セミナープログラム】
①日本の製塩晶析における結晶品質制御と海水総合研究所の取組み (公財)塩事業センター・海水総合研究所 正岡功士 氏
日本の製塩工程を紹介いただき、製塩工程における晶析技術の現状と海水総合研究所の取り組みについて解説いただきました。海水総合研究所では、晶析はもちろん、それ以外の分野でも脱炭素化やSDGsの理念に適う新しい取り組みや協働できるパートナーを探されているとのことでした。
 
②固液分離の視点から考える晶析 横浜国立大学大学院 工学研究院 機能の創生部門 准教授 中村一穂 氏
中村先生は、SDGs達成を目指した環境保全プロセス(水処理など)、高付加価値物質生産プロセス(医薬品、ファインケミカル、食品など)、バイオ水素生産プロセスをターゲットとして、分離の単位操作(膜分離、ろ過、晶析など)、機能性表面・微粒子の開発(破砕、表面改質など)、バイオリアクター(活性汚泥、水素発酵)、シミュレーション(モデル化、MD)を組み合わせた研究・開発方法で、新しい化学プロセス開発の研究を行っておられます。今回は、固液分離における晶析プロセス技術に関する研究内容を中心に濾過、圧搾に関する実験手法、結晶のゼータ電位ならびにハンセン溶解度パラメータ(HSP)を用いた評価事例を丁寧に解説いただきました。
 
③海水総合研究所見学
施設見学会では、塩づくりに関する研究、海水資源の効率的な回収に関する研究、塩の品質などに関する研究、消費者の方々に塩に関する科学的な情報を提供するための研究施設、実験装置、分析装置など紹介いただきました。
 

以上

本分科会の開催案内は、こちらよりご確認いただけます。

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