活動報告

混合・成形分科会 報告

2024年6月26日

  • 漢方記念館見学風景1
    漢方記念館見学風景1
  • 漢方記念館見学風景2
    漢方記念館見学風景2
  • 講演見学会集合写真
    講演見学会集合写真
  • 創業時の本店模型
    創業時の本店模型
2024年6月21日、「漢方薬」をテーマとして取り上げ、株式会社ツムラ様に会場をご提供いただき、第1回分科会を開催いたしました。当日現地は生憎の大雨に見舞われたため、当初予定は見学を先にしてその後講演会としていましたが、雨中の見学は大変であり、徐々に天候は回復するとの予報から、見学と講演会の順番を入れ替えて見学を後回しにしました。急なスケジュール変更ではありましたが、臨機応変にご対応いただいたツムラ漢方記念館のスタッフの皆様には感謝の言葉しかありません。以下に、報告いたします。
 
講演①は、㈱ツムラの川上様より、「漢方製造工場におけるAI活用事例について」と題して、実際の製造ライン中へ導入したAIによる自動制御について、3つの事例をご紹介していただいた。先ずは漢方薬の調合工程での自動計量で、天然物のため、季節やロットで物性差が生じ、その微調整が難しいが、オペレーターよりもAIの方がその調整の成功率が高い。次は生薬選別工程での異物、不良品除去の自動化で、不良品の認識をデータベース化する苦労と、バリデーションのための根拠が示せないため、完全にAIのみの自動化ができていない。オペレーターの負担軽減のための補助的な位置づけ。最後は漢方エキス粉末、顆粒の試験用検体の自動秤量で、様々な条件で秤量をさせたデータをもとに最適化することで、誤差を最小限に抑えることが可能となった。AIの精度を上げるための創意工夫やAI技術の今後まで幅広い内容でご講演いただいた。
 
講演②は、岐阜薬科大学教授である田原様より、「医薬品分野における粒子・粉体プロセスの効率化と個別化製剤の可能性」と題し、粒子特性に応じた製剤製法を選択するためのシステム;MCS(Manufacturing Classification System)の事例紹介と、AIを用いた粉体原料の物性値の予測システム構築について講演いただいた。物性値を把握することで製剤の特性も予測できる可能性があること、物性とそれに合わせた指標を示す試みを紹介いただいた。最後に3Dプリンター(粉末積層造形法)による医薬品錠剤の製造事例についての解説もあった。
 
見学は、ツムラ漢方記念館と茨城工場の生薬倉庫及び抽出工程のプラントを見せていただいた。漢方薬の歴史、㈱ツムラ様の歴史の解説から、数々の生薬の実物に触れて、匂いを嗅いでと非常に充実した見学内容であった。また工場の見学を通じて㈱ツムラ様の徹底した生産管理、安心安全な製剤の製造に対する取り組みを垣間見ることができた。
 
薬草園の見学も予定していたが雨のため取り止めとなってしまったのは残念であったが、講演会自体は盛況のうちに終えることができました。このような場所をご提供いただいた、株式会社ツムラ様及び漢方記念館の皆様には心より感謝いたします。
 
注記:ツムラ漢方記念館は一般の方の見学は受け付けておりません。また、ツムラ漢方記念館への直接の問い合わせもご遠慮ください。
 

以上
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