活動報告
混合・成形分科会 報告
2022年6月14日
2022年6月3日、第1回混合・成形分科会として、「医薬品連続生産の情報提供と医薬品製造工場の見学会」をテーマに、シオノギファーマ株式会社 金ケ崎工場の見学と講演会を行いました。
まだまだコロナウィルスの影響を気にしつつ、一般企業での見学会がなかなか企画できない状況の中、今回も当分科会幹事会社であるシオノギファーマ株式会社殿の協力を仰ぎ、無事講演見学会を開催することができました。岩手県の金ケ崎という少し遠い場所にも関わらず、遠くは宮崎県から遥々参加していただくなど、一般参加者16名、関係者を含めた総勢27名という大変多くの方に参加していただきました。
講演(1)として、同社生産技術部長 六車 嘉貢 様から「金ケ崎工場のご紹介とシオノギファーマの連続生産技術のご紹介」と題し、シオノギファーマ殿の医薬品製造に対する取り組み方、見学先金ケ崎工場の概要をご説明いただき。その後、インフルエンザ製剤で、実際に製造承認を認可された連続生産設備を、3D Viewerを駆使して見せていただきながら、生産される製剤の動的特性の把握、管理された状態を維持する方法、NIRによる混合精度の評価などの重要ポイントを解説していただきました。
講演(2)では、株式会社ダルトン 開発技術統括部 統括部長 浅井 直親 様から「連続生産への取組み」として、同社が長年携わってこられた、粉体工学会製剤と粒子設計部会内の標準処方研究企画委員会での活動について、主に2016年から取り組まれている連続生産に関する研究をご説明いただきました。㈱ダルトン殿、㈱パウレク殿、フロイント産業㈱殿という本来競合する3社の連続生産設備による実験データを持ち寄り、それぞれの機器の比較をするのではなく、より良い製剤設計を行うためのパラメータ検討を共同して続けてこられた貴重な結果を見せていただきながら、連続生産のメリットや課題、今後の展望などを解説していただきました。
見学は、注射剤製造工場と固形製剤製造工場を見せていただきました。注射剤は無菌製剤であるため、工場内のゾーン分けや空気、洗浄水などユーティリティーの管理、作業員の資格など徹底的に管理された工場で、多くの人を介さずにバイアルの洗浄から乾燥、原液の充填、凍結乾燥、打栓、包装出荷までほぼ自動化された状態であり、凍結乾燥や打栓にノウハウがあることを説明していただきました。固形製剤製造工場では、混合、造粒、乾燥、整粒、打錠、包装出荷など、工程ごとにマルチコンテナシステムで繋がれており、そのコンテナの洗浄まで、きちんと管理された中で運用されていることなどを説明していただきました。
雨という生憎の天候ではありましたが、久しぶりに現地リアルでの工場見学を企画し開催することができました。多くの方に参加していただき、非常に活発な見学会になったと思います。ご参加いただいた方々や運営に携わっていただいた方々に心より感謝いたします。
本分科会の開催案内はこちらよりご確認いただけます。