活動報告
混合・成形分科会 報告
2025年12月18日
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ライオン㈱ 小島様のご講演
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佐竹マルチミクス㈱ 根本様のご講演
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集合写真
(1)会社紹介並びに工場見学
ライオン㈱小田原工場様は、ハミガキなどのオーラルケア製品から目薬や胃腸薬といった医薬品まで幅広く製造されている東日本の拠点工場になっており、丁度東海道新幹線が開通した1964年10月に操業を開始した歴史ある工場でもある。
工場見学は、ライオン㈱工場管理グループの重森氏が担当され、操業開始当初からの主力製品の沿革の展示場から始まり、現在の主力商品であるハミガキ(クリニカやシステマ)の製造工程(原料の受入れから混合・混練の工程)及びその充填包装ラインまでの見学コースを見せていただいた。製造工程では一貫した生産管理と安全管理、製品に対する検査体制の充実ぶりが垣間見えた。また最後には今年4月に竣工したばかりの医薬品製造棟(外観のみではあるが)も案内してもらった。
自然と調和した地域コミュニケーションを目指す小田原工場の取り組みとして、地域と連携した様々な普及活動や清掃活動、メダカやホタルの育成などを行っていることも話題としてあがっていた。
(2)講演①
ライオン㈱の小島和晃氏には、「製造プロセス開発におけるデジタル技術活用」と題して、ハミガキ製造プロセスを例としたECM(エンジニアリングチェーンマネジメント)の最適化について、また生成AIを活用した製造プロセスの効率化と技術継承に関して解説していただきました。原料粉体から製品の性状を予測する、また逆に製品性状に応じた原料粉末の物性決定を、AIなどを活用して効率よく行う方法や、暗黙知や経験値が必要な製造プロセスを形式知化することで、誰でもが利用できる技術情報として継承に役立てるべく取り組まれておりました。
(3)講演②
佐竹マルチミックス㈱の根本孝宏氏には、「攪拌の基礎と高効率回転翼のご紹介」と題して、攪拌する目的に応じた攪拌作用があり、その作用を引き起こすための攪拌羽根の選定とモータ動力の設定方法、シミュレーションを利用したフローパターンの解析と検証などの解説。次いで高効率化を図った新型攪拌翼の開発に関して、その手法や実験と評価の方法など、例具体的な事例と共に解説していただきました。
12月の師走の慌ただしさもあってか、交流会への参加者が少なかったことは残念ではありましたが、参加された方々とは和気あいあいとした雰囲気の中で親睦を深めることができました。このような場をご提供いただいたライオン㈱様の皆様には感謝申し上げます。
以上
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