活動報告

晶析分科会 報告

2022年12月20日

  • 滝山博志様の講演
    滝山博志様の講演
  • 齊藤隆夫様の講演
    齊藤隆夫様の講演
  • 柏屋滋様の講演
    柏屋滋様の講演
2022年12月6日、第2回分科会として、同志社大学東京オフィスにおいて、医薬品の連続合成について、最近のトレンド、合成装置、シミュレーションに関しての講演会を開催いたしました。
 
●講演1 医薬品連続製造の分離精製プロセスとしての粒子群製造
東京農工大学大学院 工学研究院 応用化学部門 教授 滝山博志氏
反応工程などが連続フロー運転可能になると、分離精製工程も連続化しなければ生産効率は半減する。晶析では、安定製造の観点からも連続フロー化の注目度が高まっている。回分操作では、溶液状態が経時的に変化し、操作点が移動するため、それに応じた冷却速度や添加速度などの調整が必要である。しかし、連続操作であれば操作点は移動しない。講演では、連続フロー晶析が注目される現象論的な理由とその利用方法を紹介いただいた。
 
●講演2 030年連続生産実装化へのロードマップ/フェーズIII実証篇 Factory完成へ、次なる展開と挑戦
株式会社高砂ケミカル 会長 齊藤 隆夫氏
エネルギーの枯渇、気候危機、人口減少、従来型の生産モデルの崩壊は目前に迫っている。2030年には将来を見据えた新たな生産システムの準備が必要である。2018年から、省エネ、省人化、省廃棄物、最小限の設備で、必要なときに必要なモノを必要な量だけ生産する連続生産システムiFactory®(NEDO事業)の実装化を推し進めている。講演では最終局面に入ったiFactory®構築の状況と、次なる展開と挑戦について紹介いただいた。
 
●講演3 連続晶析~モデルベースによるロバストなプロセス設計・導入例の紹介
シーメンス株式会社 シーメンスプロセスシステムエンジニアリング シニアアプリケーションズコンサルタント 柏屋滋氏
医薬品原薬には、その薬効だけでなく溶解性も重要である。スクリーニング後の原薬製造において、その晶析プロセスの開発では、バッチプロセスの実験結果があればシミュレーションにより容易に連続プロセスの開発が可能となる。講演では、モデルベースによるロバストなプロセス設計、導入事例、連続晶析プロセス開発に向けて紹介いただいた。
 
 
連続合成技術は、生産量を大きくできるだけでなく、品質をより安定化かつ高品質なものづくりに寄与できる技術であり、医薬品に限らず、他材料にも適用できると考えられます。今回の分科会では、対面での講演会にプラスし、3年ぶりに交流会も開催でき参加者の皆様の交流も図ることができました。今後も参加者にとって有意義な分科会活動となるよう、企画していきます。
 

以上
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