活動報告
晶析分科会 報告
2025年12月24日
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三上氏のご講演
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甘利氏のご講演
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集合写真
講演1:「工業晶析操作における粒径制御の考え方」 新潟大学工学部化学システム工学プログラム准教授 三上貴司 氏
回分冷却晶析と反応晶析における粒径制御の工学的方策について、歴史的な流れとともに説明いただいた。その要諦は、100年前のグリフィスの論文にすでに明記されており、晶析工学者らは、グリフィスの言を実現するための具体的な術を探り続けてきた100年と言える。講演では、工業晶析基礎としての既往研究事例の解説に加えて、滴下冷却法による内部シーディング、高分子添加法による微結晶の分布制御と高分子溶存下での成長メカニズム等、紹介いただいた。
講演2:「核化促進に基づく晶析プロセスでの粒子群特性制御」 東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門 助教 甘利俊太朗 氏
晶析によって得られる粒子群の特性は、固液分離や乾燥といった下流工程の操作性や最終製品の品質に影響する。したがって、晶析での粒子群特性を制御することは、高品質な粒子群の高効率製造に重要である。講演では、特異な流動状態の利用や第三成分の添加などによる核化現象の促進が結晶化現象や析出する結晶粒子群の特性、生産性に及ぼす影響について検討した結果を紹介いただいた。
見学会
ほんだし工場の見学では、カツオから鰹節を作るところから、その鰹節を粉砕、他の調味料と合わせて造粒乾燥させるほんだしの製造工程を学び、実際の粉砕、造粒乾燥工程を見学することができた。さらにお味噌をお湯で溶いた状態とほんだしを追加した状態を飲み比べることでほんだしの鰹節風味をいっそう感じることができた。
師走の忙しい中、たくさんの方に参加していただきました。見学会、交流会があると参加する側も参加しやすいと考えられるため、今後も参加者にとって有意義な分科会活動となるよう、企画していきます。
以上
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