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合同分科会 報告(電池製造技術&湿式プロセス)

2024年3月18日

  • 堀越代表幹事より開会挨拶と座長 境コーディネータ
    堀越代表幹事より開会挨拶と座長 境コーディネータ
  • ①名古屋大学 佐藤氏の講演
    ①名古屋大学 佐藤氏の講演
  • ②(株)ENEOSマテリアル 黒角氏の講演
    ②(株)ENEOSマテリアル 黒角氏の講演
  • ③(株)田中化学研究所 田中 氏の講演
    ③(株)田中化学研究所 田中 氏の講演
  • ④法政大学大学院 森氏の講演
    ④法政大学大学院 森氏の講演
  • ⑤神戸大学大学院 菰田氏の講演
    ⑤神戸大学大学院 菰田氏の講演
  • ⑥東京大学大学院 長藤氏の講演
    ⑥東京大学大学院 長藤氏の講演
  • 講演会の様子
    講演会の様子
2024年2月8日、電池製造技術分科会は、2023年度第3回分科会として、湿式プロセスと合同分科会を開催いたしました。本分科会は、電池産業における粉体技術の向上を図るために設立されて以来、自動車や電力、電池、材料、装置など電池関連産業界において、交流と連携の場を提供して参りました。我が国は、1990 年にはニッケル水素電池を、1992 年にはリチウムイオン電池を商品化して以来、情報通信機器のモバイル化はもとより、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)、水素燃料電池車(FCV)などの実用化に長年取り組んできて、最近、世界的に普及期を迎えつつあります。2022 年には、世界で約700 万台のEV が販売され、2030 年にはその5倍の3500 万台が生産されると予想されています。また、風力や太陽光など再生可能エネルギーの導入も進み、その大きな負荷変動を大型蓄電池で平準化することや、水素に変換して貯蔵することなども進められています。
世界的に蓄電池や電池材料の大幅な増産が進められた結果、電池材料に用いられる稀少資源の不足を招いており、電池のリサイクル技術の開発や希少資源に依存しない次世代電池の開発が活発になっています。また、電池製造プロセス全体での二酸化炭素排出量の低減が求められており、新しい電池製造プロセスの開発など電池技術の革新が進められています。本年の第1回分科会では、EV 用電池の開発、メガソーラー用大型蓄電、電力貯蔵用蓄電池、電池リサイクル技術について、第2回分科会では、耐水性に優れた固体電解質の開発、Liドープ技術の開発、CNT導電助剤の開発、全固体電池の界面抵抗の基礎解明などについてのご講演を頂き、今回の第3回分科会では、前半には、車載電池をめぐるグローバル競争と日本の課題、LIB 用バインダー、正極材料の素材開発についてご講演を頂きました。今回の参加者 172名となりました。
 
講演① 経済安全保障の車載電池をめぐるグローバル競争と日本の課題 名古屋大学 未来社会創造機構 客員教授 佐藤 登氏
佐藤講師からEV用車載電池をめぐる各国の政策方針から日本政府との取組みの違い(日本がいかに遅れているか)をご説明頂き、米国のIRA法(インフレ抑制法)に伴う影響、日本の自動車各社の状況、電動化に伴う日本政府と産業界の課題について提言を交えてご講演頂きました。
 
講演② LIB 用バインダーの開発状況 (株)ENEOSマテリアル 研究開発本部 機能化学開発部 黒角 翔大氏
黒角講師から同社のLiB用バインダー取組みについてご講演頂きました。
航続距離および充電時間の短縮に向けた検討・開発状況についてご説明頂き、バインダーに求められる高容量化に向けたSi系負極材の膨張収縮に追従する力学特性を有した開発についてご説明頂きました。(要求特性:高弾性バインダー)
 
講演③ 正極材料技術と今後の展開  (株)田中化学研究所 執行役員 田中 学氏
田中講師から同社(LiB正極前駆体、Ni-MH正極材の専門メーカ)のご紹介、サプライチェーンおよび事業内容についてご説明がありました。同社の知見を活かした技術的な強みから同社の原料のコア技術(①粒子形状制御、②複数元素共沈、③粒子径制御、④結晶制御、⑤コーティング、⑥化学酸化技術)についてのご説明がありました。また、技術開発の方向性(ビジョン)についてご説明がありました。
 
講演④ 多成分スラリーの沈降及び流動挙動と電極構造の関係に関する研究
法政大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻 教授 森 隆昌氏
森講師から多成分スラリーについて沈降及び流動挙動と電極構造の関係性についてご説明頂きました。スラリー評価について評価技術の確立から沈降挙動に着目し、LiBの正極スラリー評価について実績データからご説明がありました。
また、固縛りが粒子に及ぼす影響について評価データから傾向評価するご説明を頂きました。
 
講演⑤ レオロジーを軸としたカーボンナノチューブ分散液の内部構造解析
神戸大学大学院 工学研究科 応用化学専攻 准教授 菰田 悦之氏
菰田講師からスラリー塗布膜の構造形成プロセス解析など電池製造におけるCNT(カーボンナノチューブ)分散評価に関するご講演をして頂きました。
LIBの導電助剤としてCNT分散液を使用することでのメリット、評価方法をご説明頂き、電極としての挙動からインピーダンス測定などの成果を発表して頂きました。
 
講演⑥ 粉体成膜プロセスインフォマティクスの実践~燃料電池触媒層の塗布乾燥プロセス
東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻 准教授 長藤 圭介氏
長藤講師から燃料電池の製造プロセスと“お好み焼きをつくるプロセス”を例にわかりやすくご説明して頂き、AIロボットでの材料探索技術とヒトとロボットの協調型探索システムの活用例などから今後の自動化・自立化のあるべき姿についてご講演頂きました。
 

以上

本分科会の開催案内は、こちらよりご確認いただけます。

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