活動報告
合同分科会 報告(湿式プロセス&バイオ粒子)
2024年10月31日
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講演① 名城大学 片桐准教授のご講演
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講演② 神戸大学大学院 山地教授のご講演
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講演③ (株)神戸酒心館 幸徳様より「福寿酒造」のご紹介
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集合写真①
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集合写真②
セミナー前半は、微生物試料の膜濾過特性についてご講演頂きました。セミナー後半は培養細胞を用いたバイオ医薬品の生産についてご講演頂きました。各講演とも多数の質問があり非常に盛況でした。また、交流会にも多数の方にご参加いただき、懇親・意見交換が行われました。また、株式会社神戸酒心館様のご協力により、酒蔵を利用した神戸酒心館ホールでの講演会となり、非常に趣のある合同分科会となりました。以下に報告いたします。
【セミナープログラム】
①微生物試料の膜濾過特性 名城大学 理工学部環境創造工学科 片桐誠之 准教授
微生物の精密濾過機構は微生物と分泌物などの溶解成分がその濾過挙動の支配因子となっており、微生物細胞の大きさや形状、圧力による変形特性の違いによる濾過特性について実験結果共に解説いただきました。また、バイオマス利用の観点において、下水汚泥の資源化、燃料化に必要な高速かつ高度な脱水法の開発が急務となっており、本講演では可逆凝集・超高圧圧搾脱水、破砕凝集・超高圧圧搾脱水、浸透圧脱水法について紹介頂きました。最後にアルコール発酵を伴うバイオプロセスにおいて、アルコールを含有する酵母懸濁液の濾過、圧搾工程では酵母細胞で構成される濾過ケークが形成されます。酵母細胞の特性として、発酵液中のエタノール濃度や濾過圧力の影響を強く受けることから、濾過・圧密特性に及ぼすエタノール濃度の影響について実験結果と共に解説いただきました。
②培養細胞を用いたバイオ医薬品の生産 神戸大学 大学院工学研究科応用化学専攻 山地秀樹 教授
現在、私たちの身の回りの多くの物質が生物機能を利用して工業生産されており、このような有用物質を効率よく安価に生産するためには、目的の物質に応じて適切な生産系と生産法を開発することが必要となります。先生は細胞を用いた有用物質の効率的生産 (バイオプロダクション)を主な研究テーマとして活躍されており、今回は細胞の培養技術の発展の歴史から、最新の培養技術について解説いただきました。最近では昆虫細胞を用いた有用物質の高生産プロセスの開発に携われており、既にこの方法を用いた様々なバイオ医薬品が開発・生産されているとのことでした。
③「福寿酒造」のご紹介 株式会社神戸酒心館 広報部部長 幸徳伸也 様
福寿酒造は宝暦元年(1751 年)に創業され、手造りにこだわる酒蔵として十三代にわたり「福寿」 の名を守り続けてこられました。良質の原料、蔵人の感性、膨大な手間と時間、そのどれひとつが欠けてもおいしい日本酒は完成しないことから、時代や環境が変わり続ける中でも日本酒の豊かな価値を未来へ繋いでいくために、ブランドの存在意義を問い直し、新たにブランドパーパスとブランドシーンを定められてこられました。
酒蔵見学会では、伝統ある「福寿」の最新の酒造り工程を丁寧な解説と共に見学しました。交流会では、福寿さんの日本酒をいただきながら両分科会および参加者と懇親を深めました。
以上
本分科会の開催案内は、こちらよりご確認いただけます。