活動報告
リサイクル技術分科会 報告
2026年3月23日
-
リサイクルプラント概要
-
光学選別設備(MSPライン)見学風景
-
光学選別設備(MSPライン)見学風景
-
講演風景
-
集合写真(カネムラエコワークス様所有のドローンカメラにて撮影)
今回の見学では、自動車、小型家電、プラスチックなど多岐にわたる品目のリサイクル工程を間近で拝見した 。主な工程として、以下のプラントおよび設備を見学し、スタッフの方々による詳細な説明を通じて、高度な選別・再資源化の仕組みについて理解を深めることができた。
・シュレッダープラント
廃自動車や複合素材のスクラップを大型シュレッダーで破砕し、鉄、ミックスメタル、ダストに分離する工程を見学した。
・MSP(メタルソーディングプラント)
高度な光学選別設備(透過X線選別機やカラー選別機等)を多数導入しており、ミックスメタルからアルミニウム、ステンレス、銅などの高品位な再生原料を、省人化を図りつつ高精度に回収する様子は圧巻であった。
・ASR・SR再資源化プラント
自動車破砕残さ(ASR)から徹底的に金属を回収し、最終的に良質なセメント原燃料を製造する工程を見学した。
特に印象的だったのは、「高度な選別技術」と「リサイクル率100%」への飽くなき追求である。最新のセンサー技術により、従来は分離が困難であった素材を次々と単一の再生原料へと変えていく様子は、まさに世界水準の技術力であり、また、これまでサーマルリサイクルに依存していたプラスチック類を、洗浄・比重選別等を経てマテリアルリサイクルへと繋げる取り組みも、循環型社会の実現に向けた非常に先進的な事例として大変勉強になった 。
■講演会:「最新の粉体特性評価とハンドリング技術及び高専の未来技術人材育成事業の紹介」
大分工業高等専門学校 教授 尾形公一郎 氏
まず、粉体ハンドリングにおける課題とシミュレーションの重要性について説明があった。粉体は「固体・液体・気体」のいずれとも異なる第4の形態とも呼ばれ、その挙動の複雑さから産業界ではトラブルが絶えない。今回の講演では、粉体の挙動を解析する手法として「離散要素法(DEM)」の活用が紹介された。具体的には、粒子一つひとつの運動方程式を解くことで、スクリューフィーダ内での粉体搬送挙動や、混合機内部での粒子の混ざり具合を可視化・予測できる点が示された。これにより、従来は試行錯誤に頼っていた装置設計が、科学的根拠に基づいて最適化できるとの事だった。
また、高専が取り組んでいる「未来技術社会実装教育」についても紹介頂いた。現在は、地域企業が抱えるリアルな課題を学生が解決する「GEAR 5.0」プロジェクトなどが進行しており、ドローンやAI、IoTを活用した社会実装が進んでいる。特に、AIを用いた画像認識技術を粉体計測に応用する手法など、最新のデジタル技術と伝統的な粉体工学を融合させた「粉体DX」の事例が示された。これにより、熟練者の経験に頼っていた品質管理が自動化され、製造現場の革新に大きく貢献できることが期待されている。
開発手法として、シミュレーションと実機検証を組み合わせた「デジタルツイン」の考え方が強調されており、大変勉強になった。特に、単なる座学にとどまらず、KOSEN(高専)というプラットフォームを通じて企業とともに実用化を目指す姿勢は、今後の技術開発の理想的なモデルであると感じた。
本分科会の開催案内は、こちらよりご確認いただけます