活動報告
リサイクル技術分科会 報告
2023年3月28日
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日本磁力選鉱株式会社 ひびき工場での集合写真
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講演の様子①
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講演の様子②
2023年3月17日、第2回分科会として、「廃二次電池自動選別システムの開発」と題したAIを利用したソータをどのように研究・開発したかに関する講演とそのAIソータの見学とともに熱分解炉などの二次電池のリサイクルシステムの施設見学を日本磁力選鉱株式会社で開催いたしました。
講演会:「廃二次電池自動選別システムの開発」 日本磁力選鉱株式会社 技術部 技術管理課長 前田博文氏
同社は、創業70年以上に渡り、資源リサイクル事業を展開し資源循環社会に貢献し、昨今話題のSDGsとカーボンニュートラルへの適応から、再資源化技術の向上や未利用資源の有効活用、省エネ推進を積極的に進めている会社である。事業内容については、創業当初からの主力事業である鉄鋼分野のスラグ処理事業、製鋼原料リサイクル事業、そして小型家電や廃電池等の非鉄金属リサイクル事業を展開しており、幅広く資源リサイクル分野に携わっている。本講演では、「廃二次電池のリサイクルシステム開発」について講演頂いた。廃二次電池リサイクルは、各種小型家電から発生する廃二次電池をメインとし、受け入れ後に電池品種選別(AIを用いたソータ選別)→加熱処理(熱分解処理)→素材選別→ブラックマス(Ni,Co濃縮粉)と鋼材関係に選別し、各種メーカへ販売している。特に本システムのキーデバイスである電池品種選別は、AIを用いたソータ選別機を導入し、リチウムイオン電池のリサイクルマークの画像処理(選別)から各々の品種にソーティングしている。そのソーティング精度は97%以上であり、選別工程の生産効率を大きく向上させている。また、今後変化していく品種への適用関しては、AIの追加学習機能を都度活用する事で反映していくとの事であった。本講演を聞いて、マテリアルリサイクルのキーとなる選別技術は、AIと各装置をコラボレートさせる事で、従来の精度は高いが効率が悪かった手選別等の工程から、ほぼ同等精度を有し、且つ生産効率が高く省人化が図れる同システムの実用化は、今後の資源リサイクル技術の向上と市場ニーズ拡大に貢献する内容である感じた。
見学会:「非鉄金属・環境関連のリサイクル工場見学(リサイクル内容:非鉄金属、小型家電、廃電池 等)」
見学先: 日本磁力選鉱株式会社 ひびき工場
講演後、廃二次電池のリサイクルシステムの施設見学と併せて、非鉄金属と小型家電類のリサイクル施設を有している同社「ひびき工場」を見学させて頂いた。本工場では、廃二次電池のリサイクルシステムの他に、小型家電のラジエータやMIXメタル、ACコードハーネス類から銅・アルミ等の非鉄金属を選別回収するシステム(破砕、磁力、風力、渦電流、色彩、慣性 等の選別技術を組み合わせたシステム)と、小型家電類の解体・破砕選別による濃縮基盤や各種金属を回収するシステムがある。本工場見学をさせて頂いた印象は、先ず工場内で5Sが徹底されており、リサイクル工場としては非常に施設内が綺麗でしっかりと整理整頓されていた。また各々のリサイクルシステムは省人化が図られており、どれも生産効率が高い素晴らしい工場であった。
今回の見学と講演会を通して、昨今話題の「廃二次電池リサイクル」のテーマという事で、キャンセル待ちが出るほど、大勢の会員および非会員の方々に参加頂き、盛況な分科会を開催出来たとともに、改めて世の中の市場ニーズは“エネルギーに関連する将来の資源リサイクル”に大きく関心があると感じました。 当分科会では、現況から益々SDGSやカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーへの関心と対応が必要になってくる事を勘案し、今後も市場ニーズに沿った資源リサイクルテーマを中心に、先端技術やコア技術、次世代開発技術に関連した魅力的な分科会を計画していきたいと思います。
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