活動報告
リサイクル技術分科会 報告
2018年3月30日
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ICCセンター施設説明会
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同志社大学 藤井教授による講演会
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株式会社アクトリー施設見学
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株式会社アクトリー 再生可能エネルギー研究センター 増井センター長による講演会
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懇親会にて地元太鼓の演奏
まず初めに、金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター(通称ICC)を見学しました。同施設は総工費22億円を投じて、平成26年に竣工されました。鉄骨造3階建で、中央は周りの研究室から一望できる吹き抜けで、様々な実証試験装置が置かれていました。「複合材料を今よりももっと幅広く、多くの分野で利用するために、企業と連携して適用技術の研究や製品開発を支援する。」ことが同センターの理念となっています。今回は主にCFRP、CFRTPに関する開発装置の解説を受け、今後の課題に関しても具体的な質疑応答の時間が持てました。
講演会では、「炭素繊維のリサイクル、その背景、問題点、そしてビジネスの可能性」と題し、同志社大学教授 藤井透先生にご講演いただき、炭素繊維のリサイクルに関して、具体的な方法と問題点、そして今後期待できるビジネスに関して興味深い講演をいただきました。今後ますます増える廃棄CFRPから炭素繊維を回収する方法。再生炭素繊維の形態と用途。再生された炭素繊維を使って、航空機や車体を構成するようなCFRPにリサイクルすることは実際には無理で、現実的にはその他の用途に使われている等、理想と現実のギャップを赤裸々にお話頂きました。
次に株式会社アクトリーに場所を移し、追尾集光型太陽エネルギー回収ハイブリッドシステムの実験室や試験内容の経過説明を受け、また再生可能エネルギー研究センター、複合研究開発センター、焼却炉工場の見学をしました。
単純な焼却炉メーカーとしてスタートした同社は、今やエネルギーの回収、マテリアルリサイクル、資源循環等、地球環境を広い目でとらえた様々なシステムの研究と製品化をめざしていることが良く理解できました。
講演会では、株式会社アクトリー 再生可能エネルギー研究センター センター長 増井芽様に「再生可能エネルギーの実証施設について」と題し、これからのエネルギー技術に関して、特に太陽エネルギー利用システムに関して講演いただきました。地球全体が抱える国際問題からマクロな目で今をとらえます。国連の事務総長の言葉を引き合いに出され、環境問題を熱く語られました。 印象に残る言葉として、
「地球は私たち人間なしでも存続できますが、私たちは地球なしでは存続できません。先に消えるのは私たちなのです。」
「我々は、地球を救う機会を持つ最後の世代になるのかもしれない。」
持続可能な社会に戻るために我々は今何が出来るのか? 企業も技術者もそれぞれの立場で真剣に考えていく必要があると強く感じました。
以上