活動報告
クリーン化分科会 報告
2025年3月26日
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講演会の様子
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見学会の様子
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集合写真
講演会では、テーマに即した3件の講演をして頂いた。京都大学iPS細胞研究財団の菅原好美氏には「my iPS PJの取組みについて」と題して、閉鎖型装置によるiPS細胞の自動製造に関する説明と、そのために必要なクリーン環境に関する話題提供があった。日立プラントサービスの高野寛行氏には「CCS(Contamination Control Strategy;汚染管理戦略)について」と題して、医薬品の製造、開発、管理における品質保証基準を定めたガイドラインであるPIC/S GMPによるCCS(汚染管理戦略)について解説があり、その概念や具体的対応について事例も交えて紹介された。日立産機システムの高澤優志氏には「再生医療向け安全キャビネットについて」と題して、安全キャビネットの基本的性能の解説から始まり、再生医療の現場での要求に基づいてインキュベーター等との接続ポート、作業監視用のカメラやモニターなどが実装された再生医療向け安全キャビネットの機能が紹介された。
見学会では、日立プラントサービスのショールーム、及び同施設が入居している未来医療国際拠点Nakanoshima Qross内のいくつかの施設を見学することができた。日立プラントサービスのショールームでは、講演でも説明があった再生医療向け安全キャビネットの実機やVRを使った培養士訓練システムなどの見学、説明があった。京都大学iPS細胞研究財団が開所準備を行っている閉鎖型装置を用いたiPS細胞の製造施設(CPC)を見学することができ、将来に求められるクリーン化の在り方について議論がなされた。また、朝日インテックでは手術用の「協働型助手ロボット」ANSURのデモ機を見学し、イワタニファインガスでは再生医療におけるコールドチェーン(細胞保管、輸送時等の冷凍管理)の構築に向けた製品、サービスに関する説明を受けた。Nakanoshima Qrossが、再生医療を含む未来の医療技術の普及、発展に重要な役割を果たしていくであろうことが感じられた。
今回の分科会を通して、講演、見学会とも活発な議論や交流も交わされ、参加者による強い興味をうかがい知ることができました。クリーン化技術の適用範囲は幅広く、また関連する技術も非常に多岐にわたっています。今後も、社会動向や会員企業のニーズに応えるべく、分科会活動を活発に継続していきたいと思います。
以上
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