活動報告
クリーン化分科会 報告
2023年12月11日
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講演会の様子
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熊谷様の講演風景
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高砂熱学工業が参画している月面探査プログラムの月着陸船と月面探査車
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白水様の講演風景1
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白水様の講演風景2
同センターは、「地球環境負荷低減と知的生産性向上を両立したサスティナブル建築」を設計コンセプトとする研究施設で、太陽光発電とバイオマスエネルギー、地下水熱利用と蓄電池を組み合わせることで、敷地全体でZEB Ready、オフィス棟でZEBを達成しています。
見学会では、建築設備技術遺産に認定されている国産第一号のターボ冷凍機をはじめ、同社が創業以来築いてきた数々の空調技術開発の歴史や最新の研究成果などの説明を受けました。また、天井の放射パネルやパーソナル空調など、最新の空調設備システムを導入し、消費エネルギーを削減しつつ、一人ひとりに配慮したウェルネスな室内環境を整えた執務スペースを見学しました。
講演会では、「半導体製造に関わるクリーン化」をテーマとして2件の講演をして頂きました。
オフィスシラミズの白水好美様には、汚染が半導体デバイスに与える影響、クリーン化の重要性から具体的なクリーン化技術、次世代の汚染制御の問題点と今後の課題まで、半導体製造に関わるクリーン化技術全般について詳しく説明して頂きました。半導体の技術の進歩に伴い変化するクリーン化の要求など重要な知識が得られました。
高砂熱学工業株式会社の熊谷博英様には、旋回流誘引型成層空調システムによる省エネルギー型クリーンルームの構築と題して、一般空調で実績を積んできた旋回流誘引型成層空調システムを精密空調に応用するために行った取り組みを説明して頂きました。シミュレーションや実験を駆使してクリーンルームへの採用に成功し、従来のクリーンルームに比べて、イニシャルコストを約40%、ランニングコストを約80%低減することを実現しています。コンサバティブなユーザーに対して、固定概念を覆して、新しい思想の技術導入を促すことは容易でないですが、ユーザー側の立場に立って、心配事や懸念事項を地道に潰していけば道が開けることを学びました。
今回の分科会は、半導体産業の立て直し政策により、国内の半導体産業が活況を取り戻しつつある状況から、当分科会の原点である半導体製造に関わるクリーン化をテーマとして企画しましたが、半導体製造において、クリーン化技術の重要性は不変であることを再認識し、国内の半導体産業の立て直しに寄与できるような活動を続けていきたいと思いました。
以上
本分科会の開催案内は、こちらよりご確認いただけます。