活動報告
クリーン化分科会 報告
2024年9月10日
-
講演会の様子
-
集合写真
同センターは、観察技術と元素分析・組成解析技術、およびそれらに付随する前処理加工技術が集約された施設である。
見学会では有機/イオン/金属成分といった分析目的別に用意されたクリーンルームや、ガスクロマトグラフを始めとした様々な分析機器を見ながら説明を受けた。住化分析センター独自の技術(ナノパーティクルの粒径・個数分析や、シリコンウエハの表面上の分析装置)の開発もされており、技術力の高さがうかがえた。
講演会では「研究・製造施設のクリーン化に欠かせない環境や製品汚染の微量分析・評価技術」について3件と、「空気清浄士認定制度」について1件の講演をして頂いた。
住化分析センターの安倍聡彦氏には「半導体製造環境の気中ケミカル成分の最近の分析技術について」と題して半導体技術の進歩と共に汚染トラブルがどのように多様化したかを事例と共に説明して頂き、またそれに対して同社がどのような評価を行ってきたかの説明もして頂いた。短時間かつ高感度に分子状汚染物質を評価可能なBremS®には参加者の関心も高く、活発な質疑応答が行われた。
同センターの長谷郁枝氏には「医薬品製造機器の粒子封じ込め性能評価」と題して近年取扱いが増加している高薬理活性物質に対する封じ込め技術の性能評価方法を説明して頂いた。試験の流れから評価方法まで、また実施のタイミングまで事例を交えて説明して頂くことで具体的なイメージを掴むことが出来た。
同センターの藤村知也氏には「spICP-MSを用いたナノパーティクルの粒径・個数分析」と題して、従来のICP-MSでは評価出来なかった[元素指定×ナノ領域]の粒度分布評価が可能な手法を詳細に説明して頂いた。従来技術とも合わせる事でさらなるプロセス改善が進むことへの期待を持てる講演だった。
工学院大学の並木則和教授には「日本空気清浄協会 空気清浄士認定制度について」と題して制度の成り立ちから現在の状況まで説明して頂いた。空気清浄士に求められる責務としてはクリーンルームのコンサルティングから設計、施工管理、運営や評価の他、教育その他、と多岐に渡る。また本制度は国際資格(ICCCS)との整合があり、国際認定されている事からも、グローバルに活躍する人材の教育制度としても優れていると感じた。
今回の分科会では半導体製造や医薬品製造のさらなる進化にとって重要な要素である分析技術の最先端を学ぶことが出来ました。参加者の注目も高く活発な議論や交流も交わされ、本会の目的を果たす事が出来たと感じました。クリーン化技術の適用範囲は幅広く、また関連する技術も非常に多岐にわたっています。社会動向や会員企業のニーズに応えるべく、引き続き分科会活動を活発に継続していきたいと思います。
以上