活動報告

電池製造技術分科会 報告

2022年10月27日

  • 講演の様子(会場:千里ライフサイエンスセンター)
    講演の様子(会場:千里ライフサイエンスセンター)
  • ①Amaz技術コンサルティング合同会社 雨堤様のご講演
    ①Amaz技術コンサルティング合同会社 雨堤様のご講演
  • ②株式会社リコー 武井様のご講演
    ②株式会社リコー 武井様のご講演
  • ③住友電気工業株式会社 奥野様のご講演
    ③住友電気工業株式会社 奥野様のご講演
  • ④東大阪公立大学大学院 准教授 作田 敦様のご講演
    ④東大阪公立大学大学院 准教授 作田 敦様のご講演
  • 株式会社ダルトン 岩崎様のご講演
    株式会社ダルトン 岩崎様のご講演

10月12日、本分科会は、WEB とのハイブリット開催を行いました。137名(会場 92名、Web 45名)の参加者のもと、最新の開発状況・今後の動向について、学会でご活躍の先生方から講演頂きました。
欧米中を中心に、電気自動車(EV)の本格的な普及と車載電池の量産が急速に進んでいます。従来のリチウムイオン電池の技術が飽和しつつある中で、中国や韓国メーカーが大量製造で主導権を握りつつあります。ただ、EVの発火事故が多発しており、安全技術に大きな注目が集まっています。また、欧州連合(EU)では、「電池規則」を施行して、電池及び電池構成材料の二酸化炭素の発生量の開示を求め、また、希少資源のリサイクルを促進すべく一定比率のリサイクル材料の使用を義務付けるなど、「標準化」を進めつつあります。1992年のリチウムイオン電池の商品化以来、我が国は、電動車や携帯機器、電池、材料、製造装置などの電池産業において世界をリードしてきましたが、この優位性は急速に失われつつあります。今後、産業競争力を回復し、発展させるためには、次世代電池の実用化において主導権を握ることが必要とされます。
今回の第2回分科会においては、電池業界を取り巻く状況や、次世代電池製造技術、材料技術に関する講演を企画しました。また、講演会後には、いつもの交流会の代わりに、名刺交換会を開催しました。
以下、講演内容を紹介します。
 
【講演内容】
①「電池業界を取り巻く状況」
講演者:Amaz技術コンサルティング合同会社 代表 雨堤 徹氏(元サンヨー)
電池業界の日本の取り巻く状況をご講演頂きました。日本製電池の供給不足。中韓の大規模な先行投資に日本が追従できていなく、中国、北欧のEV先進国の状況を講演されました。日本は全固体電池の妄想から脱却し、現状部材でいかにコストダウンしていくかが課題であり、脱Co、NiとしてLMP(LiMnPo4)の量産化が最有力であり、Mnの有効活用がポイント。全固体電池の実用化を待っていると日本は取り残される。

②「インクジェット印刷による電池製造技術」
講演者:株式会社リコー リコーフューチャーズ IJ電池事業センター 武井 悠記氏
電池材料のインクジェット印刷技術について講演頂きました。従来のスラリー塗工技術に代わる技術開発として粒子径の異なる材料でもインクジェットヘッドの開発によって狙いの膜厚、車載向けを狙った大面積化にも対応できる技術となってきている。

③「電池・燃料電池等における発泡金属の利用技術」
講演者:住友電気工業株式会社 エネルギー・電子材料研究所 奥野 一樹氏
発砲金属/金属多孔体(セルメット)の電池、燃料電池への適用について講演頂きました。
電池への適用として高耐食・耐熱に対応したNiCrセルメットの紹介(燃料電池集電体など)、耐有機電解液に対応したAlセルメット(LiB集電体、キャパシタ集電体)の紹介

④「全固体電池の開発状況と今後の展望」
講演者:東大阪公立大学 大学院工学研究科 物質化学生命系専攻 准教授 作田 敦氏
全固体電池の基本的特性の説明。硫黄物系、酸化物系の各取り組み状況を講演頂きました。酸化物系の開発が遅れていたが、現状は酸化物系の方が世の中に出るのは早いかもしれないとのこと。
高電位正極と固体電解質の界面における副反応抑制が電極反応の高速化為に重要。量産プロセスの開発や高性能化のための粉体技術開発が最重要課題である。

⑤「高速撹拌混合機スパルタンミキサーの紹介」
講演者:株式会社ダルトン 粉体機械事業部 開発・技術統括部 岩崎 祥司氏
PR 高速撹拌混合機スパルタンミキサーの紹介を行いました。

2022年度第3回電池製造技術分科会は、2023年2月9日(木)を予定しています。

以上
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