活動報告

電池製造技術分科会 報告

2023年11月29日

  • 講演会の様子
    講演会の様子
  • (株)GS ユアサ 掛谷 忠司様のご講演
    (株)GS ユアサ 掛谷 忠司様のご講演
  • 武蔵エナジーソリューションズ(株) 安東信雄様のご講演
    武蔵エナジーソリューションズ(株) 安東信雄様のご講演
  • 山陽色素(株)田中祐樹様のご講演
    山陽色素(株)田中祐樹様のご講演
  • 名古屋大学大学院工学研究科 材料デザイン工学専攻 教授 入山 恭寿様のご講演
    名古屋大学大学院工学研究科 材料デザイン工学専攻 教授 入山 恭寿様のご講演
本分科会は、25 年前に、電池産業における粉体技術の向上を図るために設立されて以来、自動車や電力、電池、 材料、装置などの産業界を横断して、交流と連携の場を提供して参りました。我が国は、1990 年にはニッケル水 素電池、そして 1992 年にはリチウムイオン電池の商品化に成功して、情報通信産業の発展に寄与するともに、 ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)、水素燃料電池車(FCV)などの実用化にも世界に先駆けて取り組 んできています。最近では、二酸化炭素の排出量を 2050 年までにゼロにすべく、世界的に風力や太陽光など再 生可能エネルギーの導入が急速に進み、これら負荷変動の大きなエネルギーを大型蓄電池や EV に蓄電すること や、水素に変換して燃料電池で利用することなどが進められています。2022年には、世界で約700万台の EV が販売され、2030年にはその5倍の3500万台が生産されると予想され、世界的に蓄電池や電池材料の 大幅な増産が進められています。 ただ、膨大な量の電池需要は、電池材料に用いられる稀少資源の不足を招いており、電池のリサイクル技術の 開発や希少資源に依存しない次世代電池の開発が重要となっています。また、電池製造プロセス全体での二酸化 炭素排出量の低減と公開が求められており、二酸化炭素の排出の少ない電池材料の使用や新し製造プロセスの開 発なども求められています。
 
本年の第 1 回分科会では、EV 用電池の開発状況や、メガソーラー用大型蓄電の状況、電力貯蔵用蓄電池の開発 状況、電池リサイクル技術などのご講演を頂きました。
今回の第 2 回講演会では、耐水性に優れた固体電解質材 料の開発と全固体電池、電池高容量化に向けたLiドープ技術の開発、電池高性能化に向けたCNT導電助剤の 開発、全固体電池の界面抵抗の低減などについてのご講演を頂きました。今回は162名の方々に参加いただきました。以下に報告いたします。(世話人会社:東洋ハイテック株式会社 根本滝郎氏)
 
①「高いイオン伝導度と優れた耐水性とを兼ね備えた硫化物固体電解質の開発および全固体電池への適用」
(株)GS ユアサ 研究開発センター 先進固体電池開発部 1G グループマネージャー 掛谷忠司 氏
掛谷講師からS系固体電解質の開発状況および全固体電池取組みに至る経緯、現在の状況について下記ご説明いただきました。
・酸化物系とS系固体電解質との比較
・硫化水素ガスの危険リスク
・窒化物の選定からLi1.5Al0.5Nを選定
・N2含有のS系固体電解質の評価
2030年ころから実用化が目標
 
②「プレドープ技術による次世代蓄電デバイスの創製」
武蔵エナジーソリューションズ(株) 開発部 安東信雄 氏
安東講師からリチウムイオンキャパシタ(LIC)の取り組みについてご講演頂きました。プレドープ技術として負極にリチウムイオンを担持させる技術で負極の材料の充電深度をコントロールし不可逆要領を補填する為、高エネルギー密度を実現するなどご講演頂きました。
 
③「リチウムイオン二次電池に向けた二次構造化カーボンナノチューブ導電助剤」
山陽色素(株)第二技術開発部 新事業開発グループ 主任研究員 田中祐樹 氏
田中講師から同社の二次構造化されたCNT導電材の開発状況、カーボンブラック他との下記比較をご説明頂きました。
1.溶剤系CNTペースト
2.溶剤系CNTウェットパウダー
3.水系CNTペースト
4.水系CNTウェットパウダー
二次構造化された水系CNTウェットパウダー(SWCNT)がCNT含有量、嵩密度、活性被覆性が高いなど特徴をご説明頂きました。
 
④「全固体電池の低抵抗・高安定界面構築の基礎的課題について」
名古屋大学 大学院工学研究科 材料デザイン工学専攻 教授 入山恭寿 氏
入山講師から全固体電池の現状の課題と今後の見通しについてご説明頂きました。各特性(出入力特性、高温特性、エネルギー密度、長寿寿命化)について電気・力学・化学的な各因子に基づく特性からOptimizatioされた評価をご説明頂きました。
 
④「排出促進装置及び最先端の封じ込めシステムのご提案」
東洋ハイテック(株)営業本部 係長 櫛田隆雄 氏
東洋ハイテック/櫛田様から同社が手掛ける粉体排出技術の製品紹介をおこないました。同社の粉体の棚吊り防止技術の根幹である粉体技術センターの紹介、粉体の排出促進する製品の実績など紹介いただきました。
 

以上

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