会長挨拶


企業は、ビジネスすなわち事業から得られる売上や利益といった金銭で評価される業績とビジネスを支える基盤技術を両輪として成り立っており、互いに支えあって長期的な発展を目指している。
協会は技術情報などを通じて技術向上を図る団体であり、粉体技術を主たる専門技術分野として活動しています。活動は、JIS,ISOといった規格の制定や標準粒子の取扱といった基盤を固める業務から、分科会活動や粉体工業展を通じて会員である粉体機器メーカー、エンジニアリング会社あるいはユーザーなどに役に立つ情報提供あるいは広報の場を用意する業務まで幅広くあります。

会員にとって必要な技術情報は、大きく二つあると考えています。一つは、企業(工場)が行っている生産活動の中で起こる様々な課題に答えられるあるいはヒントとなる粉体技術情報の提供で、単位操作型の分科会が主たる担い手です。
二つ目は、将来を期待されている先端技術に関わる情報提供で、これまでも電池、静電気あるいはナノといった話題が取り上げられており、プロジェクト型分科会が主たる担い手です。
また、これらの情報を総合して提供しているのが粉体工業展で、協会活動の重要行事として位置付けられています。
協会はこれまでナノ粒子の安全性を軸に委員会を立ち上げ情報の提供を積極的に行ってきましたが、企業の最終目的である製品に関わる情報提供を担う委員会を立ち上げ、企業がナノ粒子を用いて商品を製造していくための利用技術を軸としての活動も開始しています。ここでは、ナノ粒子の創生といった大学・各種研究機関による基礎研究から一歩進んで、市場に提供する最終製品を造るために必要な情報の提供を目論んでいます。

企業の研究・製造部門および大学あるいは公的研究機関が、多義にわたる技術を支えることになります。大学などの研究が先端技術に特化する傾向が強いと多少危惧しておりますが、現場に密着した技術の改善・改良も企業にはとても重要であり、ここを企業研究者・技術者のみに頼るのではなく、より基礎から本格的に取り組むことができる大学などの研究者の力が必要です。協会の兄弟である粉体工学会と共に歩むべき道筋の大きな柱と考えています。
事例としては、電池や食品などで求められているコンタミネーション防止、良いものをよりリーズナブルな価格で提供できる生産効率の向上などがイメージとして浮かびます。

協会の活動を経営視点で捉え、バランス感覚を持って運営することも求められます。今何が必要か、将来何が必要かを考え、そのために何をやるか、実現可能な具体的施策を立案し実行する経営計画も求められます。

粉体工業展の2020年問題、2021年に迎える創立50周年、ユーザー会員の増強など多くの課題も乗り越える必要があります。特に設備メーカーにユーザーの求めるニーズ・シーズを的確に伝え、今できる機器の改善・改良を確実に行いトータルとしての製造技術を高めていく地道な活動も産業界の発展にとってキーとなります。イノベーティブな粉体機器あるいは製造システムを期待してやみませんが、このところあまりお目にかかっていないような気もします。

これらの理念を持ちながら、会員、協会職員、友好団体と協力して、時代に添った役に立つ情報を発信できる協会運営を心掛ける所存です。ご指導を賜りたく存じます。

2016年5月

一般社団法人 日本粉体工業技術協会
代表理事会長
山田幸良

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