会長挨拶

2022年5月に一般社団法人日本粉体工業技術協会の会長を拝命して以来、微力ではございますが、粉体技術の進歩、普及へと鋭意務めて参りました。多くの皆様方に、当協会の活動に対して多大のご協力を頂いておりますこと、厚く御礼申し上げます。

粉体は、食品、薬品、材料、エネルギーなど身近なものから大規模産業まで幅広く利用されている重要な技術です。小麦粉、粉状の薬品、コーヒーミル、あるいは環境問題で注目されているPM2.5対策など、粉体が関わっている現象は、際限ないほど例示できます。ところが実際に粉体を使用している方でも、粉体技術、粉体工学という言葉を意識したことがない方が、かなりいらっしゃいます。粉体を扱う際、様々な粉体技術を知って頂く事で改善できる点も多々あります。当協会は2021年に創立50周年を迎え、この半世紀の間、粉体技術の最新情報を提供するとともに、関連技術者、研究者の積極的な意見交換の場を設定し、粉体技術の進歩に貢献して来ました。具体的には、東京や大阪で開催される国際粉体工業展を始め、多くの講習会、セミナー、さらには各種の粉体技術に応じた分科会による最新技術の調査など、極めて多様な活動を行っています。是非、当協会が提供する様々な情報を活用し、粉体を一層便利に賢く利用して行って頂きたいと思っています。

さて2020年以降、当協会の活動に限らず、多くの社会活動が新型コロナウィルスの影響により制約を受けて来ましたが、昨年度は過去2年間の経験を基にした様々な対策により、かなり精力的に活動出来るようになって来ました。2022年の国際粉体工業展東京では2021年の国際粉体工業展大阪から採用した展示会場とオンライン展示の併用によるハイブリッド開催の実施、各種講習会、セミナーでのオンライン開催の拡充など多くの皆様にご満足頂ける行事が提供できるようにしてきました。また、各分科会においても、オンライン講演だけでなく、十分な感染防止への配慮を加えた上で設備見学を実施するなど、ほとんどの企画が新型コロナウィルス感染前に近い内容で実施できるようになりました。

本年は、3度目のハイブリッド開催となる国際粉体工業展大阪の一層の活性化に加え、講習会・セミナーでは内容に応じて対面講義も拡充し、オンライン講義との有効な併用を図るなどの工夫により、多くの皆様に一層ご満足頂けるサービスを提供して行きたいと思っています。

粉体技術は、現代の世界規模の最重要課題である持続可能な社会構築に向けた活動にも大きく貢献できる素晴らしい技術です。皆様、是非ご一緒に粉体技術を活用して行きましょう。

2023年5月

一般社団法人 日本粉体工業技術協会
代表理事 会長 牧野尚夫

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