粒子積層技術分科会 報告

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2019年10月16日、粉体工業展大阪2019の併催行事として最新情報フォーラム「粒子積層技術-原料調製から塗布、コーティングまで」を第2回分科会として開催しました。まず初めに、中尾代表幹事より挨拶を行った。続いて主に湿式プロセスよる粒子積層に関する講演を正コーディネータの九州工大・山村先生に、乾式プロセスによる粒子積層に関する講演を副コーディネータの金沢大学・瀬戸先生に、粒子表面への粒子の積層(コーティング)に関する講演を神戸学院大学・市川先生に、湿式プロセスでの粒子分散/凝集構造の評価に関する講演を神戸大学・菰田先生にして頂きました内容を以下に示します。

1.「湿式塗布乾燥の基礎と粒子積層への課題」 (【講演①写真】参照)
九州工業大学大学院 工学研究院
物質工学研究系 教授 山村 方人 様
湿式による成膜プロセスでは塗布/乾燥を経るが、本講演では、まずブラウン運動速度と気液界面の後退速度および重力沈降速度のバランスから、乾燥領域図を用いて積層状態が整理できることが示された。続いて、気液界面が湾曲する際に生じる毛管圧力が塗膜表面の平坦化に及ぼす影響や、wet-on-wet乾燥工程での溶媒の動き方について説明された。また、湿式による粒子積層では3D造形性に課題があるが、それを解決するための相分離を用いるアイデアなどについても示された。

2.「ドライプロセスによる微粒子の直接積層」 (【講演②写真】参照)
金沢大学 理工学研究域
フロンティア工学系 教授 瀬戸 章文 様
まず、乾式による成膜プロセスは湿式に比べて厚膜化や3D造形性に優れるが、配列などの制御や大面積化が課題であることが述べられた。また、乾式プロセスによる粒子積層にはガスデポジション法やエアロゾルデポジション(AD)法などがあり、AD法では高速成膜できる可能性がある一方で、ナノ粒子を直接積層する場合には、ノズルを使うことによる制約や付着力の制御に課題があることが説明された。そして、湿式プロセスの制御性と乾式プロセスの高速性を融合したハイブリッドプロセスの一種である静電噴霧堆積(ESD)法では、これらの課題が解決できる可能性があることや、ナノ粒子の合成と積層を「直結」する新たなプロセスが必要であることが示された。

3.「50mクラス微粒子へのポリマーナノ粒子のコーティング-医薬品を例として」
(【講演③写真】参照)
神戸学院大学 研究支援センター 所長
薬学部製剤学研究室 教授 市川 秀喜 様
医薬粉は放出特性を制御するためにコーティング(粒子上への積層)が施されているが、最近では100m以下の細かい粉へのコーティングの検討も進んできている。まず、現在主流である湿式でのコーティングについて、液滴径や結合力が重要であることや、溶媒系と分散系のコーティングの違い/特徴について説明された。湿式法は多層化も可能であるため、放出特性はや温度応答性を付与しやすい反面、細かい粉へのコーティングが難しい。そこで、最近検討が行われている乾式法の動向や特徴、課題についても示された。

4.「液中の粒子凝集構造とスラリーのレオロジー挙動」
(【講演④写真】参照)
神戸大学大学院 工学研究科応用化学専攻 教授 菰田 悦之 様
まず、湿式塗布工程における粒子の分散/凝集状態、特に高濃度状態の内部構造と粘性の関係を説明された。また、粘性だけでなく、内部構造を破壊せずに弾性を評価することで、より詳細な内部構造や時間応答性を明らかにできることが示された。そして、リチウムイオン電池負極スラリーの粘弾性評価と内部構造の関連について説明があり、分散手順が電気特性に影響を与えることが述べられた。

以上
カテゴリー: 粒子積層技術分科会, 活動報告