環境エネルギー・流動化分科会 報告

スライドショーには JavaScript が必要です。

9月9日(木)、環境エネルギー・流動化分科会の第82回(令和3年度第2回)分科会では「2050年カーボンニュートラルに向けて」と題して、各界での第一線で活躍され、超御多忙な先生方に中央大学会場に参集いただきご講演いただきました。(以下カーボンニュートラルをCNと略)

今回、当分科会初の試みとして、リアル会場とWEB参加者を結ぶハイブリッド型の講演会を開催しました(中央大のWebex Eventsを利用)。急遽リアル参加が困難になった堀尾先生には動画配信でご講演いただき、図らずもハイブリッド型講演会の特長を生かすこともできました。また新たなツールとしてWEB受付システム「イベントペイ」を採用し、参加の皆様からの申込受付・決済をオンラインで実施しました。冒頭、分科会コーディネーターの幡野先生の開会挨拶に続き、各講師先生方のご講演を拝聴しました。以下に講演会の内容を示します。

第1部:講演会 (司会:神鋼環境ソリューション・細田副代表幹事)
《イントロダクション》『脱炭素戦略を成功裡に展開するために』
東京農工大学名誉教授・(一社)共生エネルギー社会実装研究所所長 堀尾 正靭先生
今回の講演全容について動画配信により堀尾先生からご講演いただきました。
これからの30年、良い展開のためには良い意志が必要であること、古いモデルに固執することなく変革・進化への意志をもってどのように進めるのかを考える場としたい、との本講演会趣旨と各講演内容の概要についてご説明いただきました。

《講演1》『2050年カーボンニュートラルに向かう世界』
東京大学未来ビジョン研究センター教授 高村 ゆかり先生
気候変動や温暖化問題の状況、CNに向かう各国の政策や課題、企業の動き、エネルギー基本計画の議論内容など最新の動向を交えてご講演いただきました。
主要国の気候変動政策のポイント解説とともに、各国政策に先駆けて企業のCN化を目指す動きが活発化していること等を紹介いただきました。世界の電力分野で再エネへのシフトが僅か数年で起きる等、非常に大きな技術・社会・市場の転換期にあり、日本でも国内産業の国際競争力向上の観点でエネルギー基本計画の議論をすすめられてきたとのことです。課題は、熱・輸送燃料分野での脱炭素化であり、また再生可能エネルギーに関する市場化・システム化を生かす施策が必要、との指摘もありました。
これからの技術に携わる方々に向けて、中長期の視角で、変化を見据えてプロアクティブな戦略を作り上げて欲しい、との提言も頂きました。

《講演2》『世界各国のCN化がもたらす国際情勢への影響』
(株)三菱総合研究所 サスティナビリティ本部
気候変動ソリューショングループ グループリーダー  高島 由布子 様
CNに対する国際情勢やエネルギー資源の動向についてご講演いただきました。
先進国のみならず新興国も含め世界の約2/3がCN検討を始めており、既に不可逆的な潮流となっている一方、各国・各企業のシナリオは、地域特性や発表主体の立ち位置によって千差万別で、共通理解が確立しているわけではないこと等、最新の情報を交えてご紹介いただきました。日本のCN化ロードマップでは、電化と再エネ拡大をベースに、水素・アンモニア活用、CCUSを選択肢としており、これからの研究開発に対する期待が強いとのことです。
CN化はエネルギー資源の流通に大きな影響をもたらし、水素・アンモニアやCCS適地や吸収源としての森林など新たなエネルギー資源や権益の登場により、資源外交はより難度を増していること等もご講演いただきました。

《講演3》『再生可能エネルギー利用技術』
(株)堤水素研究所 所長  堤 香津雄 様
「再生可能エネルギーだけで人類が生きていくためには」との観点で、再生可能利用エネルギー利用戦略(まず省エネ、発電は再生可能エネルギーで、負荷追従は蓄電池、余剰電力は水電解で水素に変換して貯蔵、電力不足時は水素を燃料電池で発電)をご提示いただき、システムの考え方やリバーシブル燃料電池蓄電池「やぶさめ」の急速充放電性などの特長について、多くの実証データを交えてご説明いただきました。本システムにおける畜電池の主眼はフローティングによる負荷追従、電力増幅としての用途であり、エネルギー貯蔵は水素で行うとのコンセプトや、パワーを上げれば上げるほど省エネできる等々、新たな視点が満載のご講演でした。

第2部:総合討議(司会:JFEエンジニアリング・鈴木幹事)
パネリスト 堤様、高島様、成瀬先生
討議に先立って成瀬先生より「二酸化炭素排出に関する考え方」として過去からのCO2総排出量等の国際比較や、新エネ導入に伴う資源利用量削減についてご説明いただきました。
総合討議では2050年に向けた技術面、制度面での展望・期待について、開発技術の国際競争力、市場獲得戦略構築が必要であることやビジネスにつながる用途・利用技術を念頭に置いた開発の重要性、投資家やステークホルダーの思惑を見極める必要があること等活発な議論が交わされました。

今回はHybridでの講演会となりましたが、リアル会場、WEB合わせ多数ご参加いただきました。講師の先生方、ご参加いただいた皆様、関係者各位に心より御礼申し上げます。

カテゴリー: 活動報告, 環境エネルギー・流動化分科会