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H26年度第2回粒子加工技術分科会 報告

2014年9月22日

平成26年9月19日(金) 株式会社大塚製薬工場 釧路工場及び、釧路市観光国際交流センターにて 第2回粒子加工技術分科会が行われました。

株式会社大塚製薬工場 釧路工場では、2班に別れソフトバッグ入り輸液工場(KNC工場)、最新の4室構造輸液工場(KMP工場)を見学させていただきました。
無菌状態(クラス100)でのバッグ製造、充填と製品の全数検査と記録保存を行い、品質管理・リスク管理に万全を期されていました。また4室構造のバッグの詳細の構造や使用方法に関しても、個々の参加者が実物を試しながらその製造過程を見学でき、輸液(臨床栄養)の進歩を肌で感じることができました。

(2)講演会 は 4本の講演が行われました。 次第は次の通り。

講演開会挨拶               神戸学院大学 福森コーディネータ

講演1:「注射剤・輸液の変遷と改良への取り組み」 座長:(落合 康 氏)

株式会社大塚製薬工場 釧路工場品質保証室 岡本恵一氏

注射剤・輸液の始まり(1616年)から、大塚製薬が1946年に製造販売を開始し、今日に至るまでの歴史について説明された。1964年にはガラスバイアルに代わるポリエチレン製のボトルを開発し、1979年には、プラスチックアンプルを開発した。輸液容器はさらに発展し、キット製品になり、高カロリー輸液はマルチちゃんバーバッグのケイタイで、より高機能な輸液製剤となった。最近では4つの袋があるクワッドバッグ製剤になり安定性の向上、利便性の向上に資しているとの解説があった。

 

講演2:「がん化学療法における薬剤師の関わり」  座長:(市川秀喜氏)

市立釧路総合病院 本川 聡氏

一つの治療法だけでなく、患者さんの状態に応じてさまざまな治療法を組み合わせることが、治療効果の向上につながると考えられており、このような治療方法は集学的治療法と呼ばれている。がん患者さんが安心・安楽・安全に治療を受けるためには、がん化学治療に薬剤師が積極的に関与し、有効性と安全性の向上に職能を発揮することが求められるとし、この業務の例をあげて解説された。

 

講演3:「医薬品製造企業における薬物粉塵安全性対策」

座長:(福田誠人氏)

大塚製薬株式会社 小富 正昭氏

新規医薬品を開発しているときの開発初期段階においては、まだ、プロフィールがはっきりしない化合物を取り扱うことになる。このときには、医薬品原薬・製剤を製造する作業員の安全が課題となる。1997年大塚製薬ではめるく社より登校されている考え方を元に、ばく露管理基準及び封じ込めレベルの一般的コンセプトを自主的に設定した。この運用事例について解説をされた。

 

講演4:「特殊製剤による難溶性改善」   座長:(金丸 太郎氏)

千葉大学 森部 久仁一氏

ナノ結晶製剤と非晶質製剤に焦点を当て、難溶解性薬物の溶解性改善技術とその評価方法について紹介され、実際には粒子径が100nm以下にならないと顕著な溶解度改善効果は期待できないこと、非晶質製剤は薬物を高分子添加剤に微結晶あるいは分子レベルで分散して調整した固体分散体の一種であることなどをしめし、考察、原因について解説された。

閉会挨拶: 竹内部会長/副コーディネータ

 

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