活動報告

食品粉体技術分科会 報告

2019年12月6日

  • キッコーマン食品株式会社 執行役員 福島 弥一 様よりご挨拶
    キッコーマン食品株式会社 執行役員 福島 弥一 様よりご挨拶
  • 講演風景
    講演風景
  • 集合写真
    集合写真
2019年11月7日、第2回分科会として、単位操作「検査技術」をテーマとして、キッコーマン食品株式会社様の施設見学と関連技術の講演を実施しました。
●施設見学
キッコーマン食品株式会社 山田様より、会社概要及びしょうゆ製造工程について説明を頂きました。さらに、詰棟にてしょうゆの包装ラインの製造工程の見学を行いました。しょうゆ充填後の打栓工程からラベリング、シュリンク、箱詰めまでの各工程について説明を受けました。樽やガラスといった容器の歴史について説明頂き、現状は環境への配慮、しょうゆの品質確保のため容器をポリエチレン製からPET製への転換を図りつつあるとの事でした。また、環境保全の取り組みとして生物多様性保全、食資源の有効利用、環境を考えた容器、地球温暖化防止への活動について説明を受けました。見学中の質疑においても活発な質疑応答がなされました。
●講演①
キッコーマンバイオケミファ株式会社 松本様より、「ATP検査機/ルミテスターのご紹介」と題し、ATPふき取り検査(A3法)の開発と応用について検査機の実演と講演頂きました。
ATP検査は、菌、食品残渣、皮脂の汚れなどの汚染物質(=ATP量)を高感度に測定でき清浄度検査として、支持されている検査方法です。また、これまでATPがADPやAMPに分解された汚れは、検出できず見落とされていましたが、ATPに加えてADP,AMPも測定することで、より幅広い種類の汚れを高感度に検出することが可能になったことが紹介されました。
●講演②
株式会社竹中工務店 斎藤様より、「模擬媒体(粉体)を用いた封じ込め性能評価技術」と題し、模擬粉体を用いた研究の背景、封じ込め対策、粉体の挙動評価と粉体封じ込め性能評価について講演頂きました。
これまで、極微量な摂取でも人体に影響を及ぼす恐れがある高活性医薬品の取り扱いには、作業者への安全や製品間のコンタミネーションの懸念から封じ込め対策が求められてきました。しかし、封じ込め性能の評価は気流解析、トレーサーガスによる気密性評価が主で、迅速で安価な評価法が期待されていました。今回粉体を用いた新たな評価手法として粉体の気流、浮遊粒子を可視化する性能評価技術について説明を受けました。
作業服への粉体の付着量とエアシャワー、ウェットダウンによる曝露防止効果の確認実験によるデータでは、エアシャワー効果だけによる付着物除去は十分でないことが紹介されました。
●会社紹介
ウインクレル 株式会社の中川様より、「連続式ミキサーの利点とその将来性について」と題し、国内でも導入が進んでいるパウチ製袋充填機や連続式ミキサーについてについて説明頂きました。
連続式ミキサーは、原料投入及び攪拌(混錬)を連続的に行う装置で、ビスケット、パン、ピザ生地、麺などの混錬が必要な製品が対象商品であることが説明されました。講演終了後には参加者と講演者との直接的な質疑応答がなされ、大変有意義な講演となりました。

最後に、2020年3月13日に東京大学農学部で開催される第 70 回粉体技術専門講座の案内を行ないました。

以上
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