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H27年第1回造粒分科会 報告

2015年10月21日

造粒分科会集合写真
造粒分科会集合写真
平成27年10月9日、第1回造粒分科会として、太平洋セメント株式会社 埼玉工場にて見学会・講演会を開催致しました。
まず初めに、結晶性鉱物の造粒物;焼成工程でクリンカに造粒し、セメントに仕上げるプラントの見学をしました。造粒分科会の本年度年間テーマである「連続造粒プロセス紹介」の一環として、産業界の基盤であるセメントの製造プロセス施設を見学しました。会場では、高木功埼玉工場長挨拶の後、総務課横手様から「エコセメントのプロセスは、一方では“産業の静脈”としてリサイクル原料を使っており、産業物質の循環・維持継続になくてはならないプロセス」との説明がありました。コンクリート用のセメントとしての高品質を維持しつつ、リサイクル品・都市ゴミの受け入れなど、オンラインの全自動分析システムを駆使して年間を通じて製品を作り続けているプラントです。
造粒分科会としては、その安定運転のノウハウや、機能を維持しつつハンドリングに必要な粒子径にそろえ、最終的には回転ドラム式ボールミルで10~32ミクロンまで微粉砕しているところに注目しました。3班に分かれた見学では、工場側から2名ずつご担当者がついて見学時の質問に対応していただきました。焼成行程にて鉱物性結晶の造粒を行う巨大なロータリーキルンや、思ったより高速で回転しているボールミルを身近で見学し、さらに60mの高さからはプラント全体を見渡すとともに、原料の石灰石を採掘する武甲山や遠く新宿の高層ビルまでも見え感動しました。当日は快晴で絶好の施設見学会日和でした。
プラント見学後に新潟大学工学部斎藤先生より「水和生成物としての観点からセメント材料の将来像を展望する」という演題で、機能性粒子としてのセメントがどのような成分でどのように反応してゆき、最終的に結合材としての機能を発揮するか解説していただきました。見学会参加者は「無機物としてのセメント工場には、粉体処理の単位操作がつまっている」という印象を強く感じました。
通常の見学コースから一歩進んで、装置の振動や放射熱を身近に感じるところまで接近することを許していただいた埼玉工場殿の御関係者、それから本企画を支えていただいた中央研究所の小早川様に感謝致します。

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