粒子加工技術分科会 報告

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平成30年2月23日、本年度第3回の粒子加工技術分科会として、見学会と講演会を全星薬品工業株式会社にて開催しました。まず初めに、吉田代表幹事より開会の挨拶が行われ、工場見学へ進みました。厚労省のジェネリック医薬品使用促進策による生産量増加に対応するため、2016年4月に竣工した和泉工場は、高品質で安価な医薬品の提供を実現すべく、自社技術で製造システムを企画し、1LOT/1dayの大容量高速生産の専用製造ラインを構築しました。ジャストイン方式での製剤工程は24時間フル稼動対応のシステムとなっており、低コスト製造技術を駆使した製剤製造設備、施設を詳細にご案内頂きました。続いて講演4件が行われました。

講演1:「結晶工学による製剤処方検討に最適な原薬粒子及び原薬物性制御について」
座長:(森部久仁一 氏)             
全星薬品工業㈱ 保証本部 GQP管理室 室長 百永眞士 氏
 医薬品の有効性及び安全性の確保として製剤と密接に連携している原薬の目標品質特性を得るためには、結晶の析出挙動や晶析操作因子(晶析における重要因子)を把握し、品質に影響する重要因子を制御する精密な技術が要求される事例を紹介され、製剤の研究開発段階から医薬品の品質設計を適切に行なうために、目標製品品質プロファイルを設定、管理することを解説された。
  
講演2:「経皮デリバリー技術を活用したワクチン製剤・アレルゲン 免疫製剤の開発」
座長:(岡本浩一 氏)
大阪大学大学院薬学研究科附属創薬センター
ワクチン・免疫制御学プロジェクト(兼)ワクチン・免疫制御学(BIKEN)  教授 岡田直貴 氏
 従来の皮下注射と比較し、経皮投与型ワクチン・免疫製剤は①皮膚に貼付するだけの簡便性②注射針の痛みや恐怖症へのアドヒアランス向上③ワクチンの自己接種やアレルゲン免疫疾患の在宅免疫療法の可能性など多くの利点があることを解説され、独自に開発した経皮投与デバイス(ハイドロゲルパッチやマイクロニードル・・・生分解性ポリマーの針)による経皮ワクチン・免疫療法の成果が紹介された。

講演3:「インクジェット式錠剤印刷の技術課題」
座長:(山本浩充 氏)
沢井製薬株式会社 技術 西村卓朗 氏
 近年注目を浴びているインクジェット式錠剤印刷技術において、製造現場で発生している印刷トラブル(インクの定着不良、転写、かすれなど)に関し、インク側と被印刷物の錠剤側の両視点からの原因と対策について解説され、同時に打錠、印刷、検査、包装までの搬送適正を含む幅広い検証が必要であると紹介された。
 
講演4:「全乾式工程によるOD錠用苦味マスキング粒の製剤設計」
座長:(湯淺宏 氏)
名城大学 薬学部 製剤学研究室 教授 丹羽敏幸 氏
 薬物核粒の調整工程(造粒・球形化)並びにコーテイング工程において、従来の湿式法と異なり、機械的せん断装置“ノビルタ”による完全乾式法での新規な粒子設計法を解説され、賦形剤核粒を利用した薬物球形粒の設計事例や溶出遅延を生じないOD錠用苦味マスキング粒の設計事例が紹介された。

以上

カテゴリー: 活動報告, 粒子加工技術分科会