環境エネルギー・流動化分科会 報告

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平成30年9月7日、環境エネルギー・流動化分科会 第73回分科会はコーディネーターの幡野先生の拠点である中央大学後楽園キャンパスにて再生可能エネルギーの一つである木質バイオマスに焦点を当てた講演会を開催しました。

基調講演として環境問題の制度・政策領域でのご意見番として特に著名である名古屋大学大学院教授 高村ゆかり先生をお招きし、「再生可能エネルギーをめぐる最近の動向とバイオマスエネルギー」と題しご講演いただきました。
脱化石燃料化、再生エネルギーの主力電源化に向けた動向を、特に国外を中心に明確なデータに基づき懇切丁寧に説明いただきました。既に世の中は政権・政策が変わっても再エネへの潮流は止められない、再エネへの投資も急速に伸びており既に化石燃料への投資の2倍に達している、と述べられました。

次に、 Bio フォレステーション 近藤亮介様より、「林業とバイオマス発電とのミスマッチの現状と課題」と題して講演いただきました。
近藤様は、建築廃材系の事業から森林未利用材へシフトし林業を始めたという異例の経歴の持ち主であり、日本の林業の抱える諸問題を言及、再エネの一つとして重要である森林材の供給現場からその課題について率直にお話しいただきました。戦後人工林として40年以上経過した森林群を利用と再生を繰り返し循環させるためには水源資源用の環境林、伐採し利用する経済林、また国有林と民間林など、その棲み分けを長期的に計画・施策、活用する必要がある、と力説されました。
講演2件目は、NPO法人 バイオマス産業社会ネットワーク 泊みゆき様より、「日本のバイオマス利用におけるFIT制度の功罪」と題し講演いただきました。
FIT制度は確かにバイオマス、再エネの電力電源化に向けて産業化への牽引力となったが、一方では木質バイオマスにおいては熱電併給方法を軽視し、コストに偏重するあまり安価な輸入材に依存する事業形態を生んだと指摘されました。またバイオマス発電では輸送や開発過程のエネルギーコストを考えると必ずしもカーボンニュートラルにならない、と言及、熱電併給による発電効率アップは必須のことと、述べられました。

総合討論では、壇上に講演者3名と総合司会として今回の講演会の立役者である当分科会の中外炉 笹内幹事が登壇し、「FIT制度終了後の自立可能とするためのバイオマス利活用のあるべき姿」と題して討論を行いました。
白熱したやり取りが進む中、まず高村先生はFIT制度は見直しを行ないながら当面は継続されるだろう、そして再エネの選択は進むと述べられました。また近藤氏は、発電は廃棄物系バイオマスと統合すべき。小型発電では熱電併給で活路を見出すべき、と言及されました。
泊氏は、熱電併給は容易ではない。バイオマスボイラのコスト低減開発を望む。減価償却が難しいのでCSRなどに頼るのには限界がある。と述べられました。
最後は各講演者に向けて参加者から質問もされ、なごやかな雰囲気も醸し出しながら閉会となりました。技術懇談会には参加者の6割近くの聴講者が出席し、構内の生協にて開催。闊達なご意見も頂戴しながら盛況の内に解散となりました。

以上

カテゴリー: 活動報告, 環境エネルギー・流動化分科会