晶析分科会 報告

2019年6月4日、名古屋市の(一財)ファインセラミックスセンターにて、第1回晶析分科会として講演会および見学会を開催いたしました。
3人の講師の先生方から微粒子(その周囲に修飾された高分子体を含む)を計測する最新の手法をご紹介いただき、学習できたことは参加者にとっても有意義な会となりました。また、JFCC見学および技術交流会にて、「微構造解析・評価技術」、「計算科学による材料設計技術」、「ナノ材料を中心とする先進プロセス技術」の素晴らしい研究機関であることを認識できました。
講演会の後は、JFCC装置を見学し、装置の特長や計測について学び、技術交流会では、ポスターを用いて、JFCC技術紹介をしていただきました。

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<講演プログラム>

  • 講演1:原子分解能STEMによる微細構造解析と材料設計~新しい材料設計の指針へ向けて~
    東京大学大学院 工学系研究科 総合研究機構 教授 幾原雄一氏
  • 講演2:小角散乱法による高分子ナノ構造解析
    名古屋工業大学大学院 工学研究科 生命・応用化学専攻 准教授 山本勝宏氏
  • 講演3:ナノ粒子作製とXAFS解析
    名古屋大学 未来材料・システム研究所 高度計測技術実践センター 教授 八木伸也氏

講演1
収差補正を用いた走査透過電子顕微鏡法(STEM)の登場により、材料中の界面の原子構造、さらには単原子カラム一個一個について、その位置や元素の識別のみならず、局所的な組成や電子状態の解析までもが可能となってきた。講演では、種々のセラミック材料の粒界や界面の観察・解析に本手法を適用し、これより得られる材料設計指針や機能発現メカニズムの本質的な理解について紹介された。

講演2
小角散乱法は非破壊で材料中のナノメートルオーダーの構造解析に適した方法である。高分子材料によく視られるナノ構造としては、ブロック共重合体が形成するミクロ相分離構造、溶媒中でのミセル構造、結晶-非晶ラメラ構造などがある。近年は放射光X線の利用により、単一の波長における散乱法にとどまらず、波長可変小角X線散乱法により多成分系の高分子材料において個々の成分の分布状態解析も可能となっている。それら最近の研究例について報告された。

講演3
我々の生活に多大な恩恵を与えてくれている”触媒”の多くは”ナノサイズの材料”である。しかしながら、それらを作製している最中で「どのような反応過程で形成しているのか?」についての”化学状態に関する知見”の多くは得られていない。講演では、ナノ粒子の作製とその化学状態分析をシンクロトロン放射光を利用して非破壊な分析手段であるXAFS法やXPS法を用いた例を紹介された。

以上
カテゴリー: 活動報告, 晶析分科会