オシロイバナ

「暑いっ!」としか言葉が出てこない日々が続きますが、
それでも日暮のころ、草むらに赤、白、黄の可憐なラッパ型
の花を見かけるようになりました。花が咲く時間から、英語
ではFour O’ clock、中国語では洗藻花、日本語では夕化粧、
別名オシロイバナと呼ばれています。
1~2週間咲き続けるのですが、花が落ちてしばらくすると、
ガクにあたる部分に直径5mm位の丸い、黒色の実がつきます。
爪で割ると胚乳が出てきます。普通、胚乳は固まりですが
オシロイバナの場合、これが粉なのです。この粉の成分は
主にでんぷんであり、ニキビや吹き出物の治療のため、
これを水で捏ね、1日数回患部に塗っていたとの話も聞きます。
江戸時代には水銀や鉛化合物の白子(おしろい)の代用と
しても使われていたようですが、水銀や鉛の危険性の認識が
薄かったのでしょうか、オシロイバナの白子はあまり普及
しませんでした。しかし、近年まで女の子がママゴトでおしろい
として使ったりしていました。このように、女性になじみの
ある花ですが、花が細長いため、長い口吻を持つ大型のスズメガ
も寄ってくるので、女の子に悲鳴をあげさせたりもします。
オシロイバナは生命力が強く、黒い実(種)を庭に撒いて
おくと、次の年には花が咲き、花粉とは違った粉、胚乳粉を
楽しむことができます。
(2015年8月メルマガより)

 

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